日立製作所は11月5日、創業地の茨城県日立市に「日立オリジンパーク」を開所した。2022年には展示内容をウェブ上でバーチャルに見学できるようにし、日立市と同社の歴史のグローバルな情報発信を目指す。
オリジンパークは、1910年に創業した同社の企業理念をはじめ、これまでの事業と社会貢献の歩みを伝える企業ミュージアムになる。日立の福利厚生施設である「大みかクラブ」「大みかゴルフクラブ」の敷地内に、展示施設「小平(おだいら)記念館」「創業小屋」を新たに建設。環境配慮型のカーボンニュートラルサイトとなっている。地域・パートナーとの新たな対話の場として活用するとしている。
日立オリジンパークの全景(出典:日立製作所)
「小平記念館」では、創業者の小平浪平が「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」を企業理念に掲げ、創業するまでの道のりをサラウンドスクリーンの映像で紹介。また、当時の製品やタッチスクリーン、拡張現実(AR)を活用したジオラマなどを用いた展示により、日立の社会貢献と技術開発、挑戦の歴史を日本と世界の産業史とともに体感できる。
サラウンドスクリーン(出典:日立製作所)
「創業小屋」は、創業製品の5馬力モーターが誕生した日立鉱山工作課修理工場を復元した施設になる。現存する5馬力モーターが実際に動く様子や当時の様子を再現した映像、製作機器などを通じて、5馬力モーターの開発の様子と創業の息吹を追体験することができる。
創業小屋(出典:日立製作所)
オリジンパークは、施設運用にかかるエネルギー使用による二酸化炭素排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルサイト。施設が再生可能エネルギー由来の電力で稼働していることをデジタル技術で可視化するシステムを用いて、使用電力が100%再生可能エネルギーであることを証明している。