人工知能（AI）クラウドテクノロジーの新興企業H2O.aiは米国時間11月8日、オーストラリアの銀行大手で、顧客であるオーストラリアコモンウェルス銀行（CBA）が率いるシリーズE投資で1億ドル（約110億円）を調達したと発表した。H2O.aiの調達額は、2億5000万ドル（約280億円）以上となり、評価額は17億ドル（約1900億円）となった。また、先行して投資していたGoldman Sachs Asset ManagementとCrane Venture Partnersに加え、Pivot Investment Partnersも投資に参加している。調達した資金は、パートナーシップ、セールス、マーケティング、カスタマーサクセスをグローバルに拡大させるために利用されるという。これまでに、Wells Fargo、New York Life、NVIDIAをはじめとする顧客やパートナーが投資している。また、2万超の組織、多数のデータサイエンティスト、Fortune 500企業の半数が、H2O.aiをAIプロバイダーとしている。H2O.aiは顧客ロイヤルティを測る指標「Net Promoter Score（NPS）」で78という、業界最高のスコアを付けている。同社はカリフォルニア州のシリコンバレーに拠点を置いている。
CBAは8日、H2O.aiの少数株式を購入したと発表した。またH2O.aiと独占的なパートナーシップを組んだことを明らかにした。CBAは、H2O.aiのテクノロジーが顧客のバンキングエクスペリエンスのパーソナライズに役立つと期待している。
CBAは、オーストラリアとニュージーランドにおけるH2O.aiの専属金融サービスパートナーとなった。これにより、CBAはH2O.aiのAIクラウドプラットフォームを利用するとともに、同行内で新たなAIソリューションの開発にフルタイムで携わる機械学習（ML）エンジニアらのチームを獲得できることになる。
CBAの最高経営責任者（CEO）Matt Comyn氏は、「このパートナーシップで、当社のAI機能をより一層差別化し、拡大して、顧客ニーズの予測を向上させるとともにニーズに応じた製品やデジタルエクスペリエンスを再考できるようになる」と述べている。「この提携は、よりパーソナライズされたエクスペリエンスを通じ、顧客へのより幅広い提案力を強化することで、顧客にさらなる価値をもたらすものだ」（Comyn氏）
CBAの最高データ及びアナリティクス責任者であるAndrew McMullan氏は、同行が既にH2O.aiと協力し、「詐欺検出精度の向上と、オーストラリア全土で増加している詐欺犯罪に関する認識の強化、与信判断能力の向上とともに、自然災害発生時のより優れた予測」に取り組んでいるとし、「そういった災害が起こりそうな時期について理解を深めたい」と続けた。
CBAはここ数年、事業全体でAIや機械学習の利用を拡大してきた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
