海外コメンタリー

Google Cloudの新たな公共セクター向けツール--コロナ禍で劇的に変化したニーズに対応

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-11-10 06:30

 政策立案者たちは、世界規模の感染症危機に立ち向かうため、多くの人の人生を変えるような大型プログラムを次々と制定していった。ワクチンの配布と追跡、住宅ローンの返済支援、失業者のサポートなど、この2年間に登場したプログラムは多岐にわたる。

 一方、プログラムを実際に運用する州や地方自治体の政府は深刻な課題に直面した。米財務省が最近発表したデータによると、国会で決議され、自治体に割り当てられた465億ドル(約5兆3000億円)の家賃支援資金のうち、実際に使用されたものはごくわずかしかない。

 州政府や地方自治体の技術インフラは、大規模で複雑なプログラムをスムーズに実施できるような仕様にはなっていない。Google Cloudはこの問題に目を付け、行政機関の負担を緩和するための新たなソリューションを開発した。一連のソリューションは、行政機関が社会サービスを提供する際に役立つGoogleのツールや機能をまとめたもので、「BigQuery」「Google Workspace」、仮想エージェントの「Contact Center AI」といった、Googleの多彩なテクノロジーのパッケージが含まれている。

 この行政機関向けソリューションを通じて、Google Cloudがまず展開しようとしているのは、住宅・家賃補助、労働者の再教育・再就職支援、インターネットやコールセンターを使った市民とのコミュニケーション、不正の検知と請求調査、高度なアナリティクスと機械学習を活用した世論と政策の結果の評価に関するモジュールだ。

 Googleが支援しようとしているプログラムの中には、「いまだ明確な担当部署がない州もある」ような斬新なものも含まれるとGoogle Cloudのグローバル公共部門担当バイスプレジデント、Mike Daniels氏は米ZDNetに話した。「政策の整理も必要だが、システム面の問題もある。当社が支援しようとしているのは、もちろんシステム面だ」

 この2年間の経験をもとに、たとえ政策の内容が完全には定まっていなくても、その政策が達成しようとしている成果に焦点を合わせることで、ITに関する最善の決定を下すことができるとDaniels氏は言う。

 「成果を実現するためのシステムではなく、まず成果そのものに焦点を合わせると、『この成果を実現するために必要なデータは何か』『どんなプロセスが必要か』といった問いが出てくる。こうした問いは、システム横断的な思考を呼び込み、目の前のタスクを別の角度から捉えられるようになる」

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