東南アジア、オーストラレーシア、北米を結ぶ約2万2000kmの新しい海底ケーブルネットワークの建設がまもなく開始される。Hawaiki Submarine Cableによって建設されるこの海底システムは、240Tbpsの設計容量を備えており、シンガポール、シドニー、ロサンゼルスの主要ハブを接続すると宣伝されている。
Hawaikiによると、「Hawaiki Nui」と呼ばれることネットワークシステムは、2022年から建設が開始され、2025年にサービスが開始される予定だという。オークランドを拠点とするHawaiki Submarine Cableは現地時間11月5日の声明で、展開のパートナーとして、通信事業者のMora Telematika Indonesia(Moratelindo)と提携したことを明かした。
Hawaikiは、Hawaiki Nuiについて、シンガポール、シドニー、ロサンゼルスを結ぶ最初で最大の空間分割多重(SDM)ケーブルと説明した。同社によると、Hawaiki Nuiはジャカルタとバタムにも上陸し、インドネシアをシンガポール、オーストラリア、および米国と接続する予定だという。SDMは、複数の空間チャネルを使用して、大容量化と高速化を実現する。
さらに、Hawaiki Nuiは、シドニー、メルボルン、ブリスベン、ダーウィンへの接続によって、オーストラリア国内のローカル接続のサポートを強化するほか、シンガポールとロサンゼルスへの国際的な直接アクセスも提供する。
Hawaiki Nuiは、ニュージーランドの南部地域で展開される最初の国際的なケーブルでもあり、クライストチャーチ、ダニーデン、インバーカーギルをオーストラリアと直接結ぶ予定だ。オアフ島とハワイ島を接続するために、さらに2本の支線が敷設される。
Hawaikiは現在、オーストラリア、ニュージーランド、米領サモア、ハワイ、米国西海岸を結ぶケーブルネットワーク(2018年に開通)を運営している。
同社の創設者兼執行会長のRemi Galasso氏によると、新しい海底システムは、アジア太平洋地域で事業を展開する顧客の接続性と冗長性を強化するという。「Hawaiki Nuiは、複数の国際ルートと国内ルートが同一のシステムに組み込まれたオールインワンの海底ケーブルインフラストラクチャーであり、新しい海底パス経由の直接接続と最適な多様性を提供するように設計されている」(Galasso氏)
Galasso氏によると、インドネシアは同社にとって東南アジアの戦略的市場であるという。同氏は、Moratelindoとの提携を賞賛した。
両社の提携の下、Moratelindoは、インドネシアでの海底ケーブル陸揚げを担当し、プロジェクトに必要な現地の許可と承認を取得する。
Moratelindoは、インドネシアにおける最適な海底ルートと陸揚げ場所の特定など、Hawaiki Nuiのシステム設計と展開にも関与する。
Moratelindoのプレジデントディレクターは、「この新しい海底ケーブルシステムは、インドネシアとの間の国際接続に関して、代替的な低遅延ルートを提供することで、シンガポールを経由する既存の接続に対するインドネシアの依存を軽減するだろう」と述べた。
Hawaikiは7月、シンガポールを拠点とする海運コングロマリットBW Groupの関連会社BW Digitalに買収された。買収手続きは、規制当局への申請と承認を経て、2022年初頭までに完了する予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。