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幸せな人が多いと営業利益が向上--日立製作所が「幸せ」に注目するホントの理由

阿久津良和

2021-11-11 07:00

 Sansanは11月10日、新しい働き方を模索するオンラインイベント「Sansan Innovation Summit 2021」を開催。同社取締役で執行役員、最高収益責任者(Chief Revenue Officer:CRO)でビジネス統括本部 本部長、Sansan Unitゼネラルマネジャーである富岡圭氏は冒頭の挨拶で「働き方を変えるDX(デジタルトランスフォーメーション)をコンセプトに、あらゆる出会いを変革させ、Voyagers(航海者)の皆さまを後押ししていく」と語った。

Sansan 取締役 執行役員 CRO ビジネス統括本部 本部長 Sansan Unit ゼネラルマネジャー 富岡圭氏
Sansan 取締役 執行役員 CRO ビジネス統括本部 本部長 Sansan Unit ゼネラルマネジャー 富岡圭氏

 基調講演には日立製作所 フェローでグループ会社ハピネスプラネット代表取締役 最高経営責任者(CEO)の矢野和男氏が登壇。「予測不能な変化にどう立ち向かうのか~幸せな組織と個人とは~」と題して講演した。

幸福感や積極性が最大の武器

 矢野氏は著名な経営学者であるPeter Druckerの格言「われわれは未来について2つのことしか知らない。1つは『未来は知り得ない』。もう1つは『未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違う』」を引用しつつ、「同感だが、(多くの組織は)ビジネスを動かす上で『すでに知っていること』の適用に捕らわれている」と指摘する。

日立製作所 フェロー/ハピネスプラネット代表取締役CEO 矢野和男氏
日立製作所 フェロー/ハピネスプラネット代表取締役CEO 矢野和男氏

 同社ではPDCAサイクルの遂行や業務の標準化、チェックリストの作成といったビジネスにおける日常的な作業を「すでに知ったことをビジネスに活用していく仕組みは実行して学ばなければならない。われわれは『実験と学習』と呼んでいる」(矢野氏)という。

 他方で日立製作所は「幸せ」に注目してきた。前述した業務作業をこなせば、「国内企業は『仕事をしている』『社会人として立派』と捉えかねない。既知のことを活用する仕組みと、変化に適応する仕組みは両立可能。幸せが重要な役割を果たす」(矢野氏)と主張する。周囲の環境や個々の価値観によって異なる幸福感だが、矢野氏は「最も重要なのは、体内に起きる化学変化」だと指摘した。

 人間の身体は、血管の緩みや圧縮による血圧の増減、血液内のホルモン、免疫不全の減少など化学変化の塊だが、中でも重要なのが内臓の変化と活動変化だという。その理由として「旧石器時代以前の人類は不安や恐怖、チャンスといったフィードバックが有効に働いていた。現代はリスクが劇的に低下しているが、われわれの身体はバイオケミカルな反応が残されている」(矢野氏)からこそ、状況や感情に内臓が左右されてきた。

 だが、最新の情報では「実は因果関係がすべて逆だという検証がなされている」(矢野氏)

 矢野氏は「幸せだと仕事がうまく行く。病気から早期に完治すると辞職せずに幸せな人が多い。(幸せな人が多い企業は)1株あたりの利益が18%も違う」と幸福感や積極性がビジネスやプライベートにおける最大の武器だと主張する。

 ビジネスシーンでは「Happiness(ハピネス)」「Wellbeing(ウェルビーイング)」といった表現が用いられるものの、日立製作所が英文書籍などを対象に調査したところ、前者の初出は1960年代、後者は2000年代から登場している。両者を表現の違いだと述べつつ同社は、「Hopefulness(ホープフルネス、有望性)」の利用を提唱した。

 HopefulnessはHope(希望)、Effect(効果)、Resilience(回復力)、Optimism(楽観)の4つを内包する単語という。2016年にMaxime Taquet氏が約1000万人(平均27日×2万8000人超)を調査し、発表した「Hedonism and the choice of everyday activities」を引用しながら、矢野氏は「一定以上の集団において、幸せの総量や平均値は人間関係で決まっている。幸せで生産的な集団を作るには、自分も周りも幸せにしなければならない」と述べ、自ら律するべきだと強調した。

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