前回は、オンライン業務で使用するヘッドセットを企業が一括購入・管理すべき理由を取り上げました。今回は、実際に業務で使用する良質なヘッドセットを選定する上でのポイントを解説します。
企業がヘッドセットを一括導入する場合、中には「全て同じヘッドセットを用意すればいいのでは？」と考える人も少なくないでしょう。オフィス、自宅、外出先など働く場所が多様になるハイブリッドなワークスタイルが日常になる中で、環境や利用シーンに適したヘッドセットを選ぶことがより重要になってきています。そこで、シーンごとに最適なヘッドセットの選び方や、必要なテクノロジーについて見ていきます。
周囲に惑わされない自分だけの防音空間
オフィスに出社して他拠点で勤務しているメンバーとの1on1ミーティングや、国内外の複数拠点とのオンライン会議への参加時には、メンバーとの会話や会議の内容に集中するため、耳をしっかり覆うクッションの付いているオーバーヘッドタイプのヘッドセットがお勧めです。
オーバーヘッドタイプは、周りの音をシャットアウトしやすく、周囲の話し声や雑音に邪魔されることがありません。まるで自分だけの防音空間を設けたように感じ、ミーティングに没頭できるでしょう。また、自宅やオープンスペースで、1人で集中して作業に取り組みたい時は、ヘッドバンドとイヤーパッドの密着度で気密性を損なわず、他のタイプより外の音をシャットダウンできるオーバーヘッドタイプのヘッドセットを装着するのが好ましいでしょう。
このように、誰にも邪魔されない自分だけの防音空間を作るために必要なテクノロジーを以下にご紹介します。
アクティブ・パッシブノイズキャンセリング機能
ヘッドセットの音声再生時に、周辺ノイズを低減してくれる機能です。オンライン会議中の音声はクリアに聞こえる一方で、生活音や家の外を走る救急車などの音、キーボードの打鍵音、そして、資料をめくる音まできめ細かく排除してくれます。昨今増えつつあるウェビナー開催時も、周囲の生活音や環境音の影響を最小限に抑えられるため、安心して進行に集中できます。より進化したハイブリッドアクティブノイズキャンセリングでは、イヤーカップの内側、外側双方につけられたマイクによって周辺の騒音をモニターし、最小限に削減します。
マイクのノイズキャンセリング機能
ヘッドセットのマイクで、周辺の雑音を削除し、通話相手に伝える機能です。このノイズキャンセリングの機構が優れたヘッドセットでは、オープンスペースなどでオンライン会議に参加する際、広い空間の中に仮想的な「防音フェンス」を設け、一定の範囲にいる人の声だけを拾います。「防音フェンス」の外側の声や音をブロックする仕様になっているため、周囲で雑談していたり、ウェブ会議を行っていたりする人がいても、マイクに声が入るのを最小限に抑えることができます。例えば、オープンスペースで作業中、急にオンラインで1on1ミーティングをして欲しいと依頼があった時も、周囲の環境音や雑音を気にすることなくすぐに会議に入ることが可能で、会議相手も環境音や雑音に邪魔されることなく、会議が行えます。
