10倍の性能向上--アドネットワーク企業がOCIのMySQLデータベースで分析を高速化

大場みのり (編集部)

2021-11-16 11:26

 ファンコミュニケーションズは、同社のアフィリエイトネットワークサービス「A8.net(エーハチネット)」のデータ分析基盤として「Oracle MySQL Database Service HeatWave」を導入した。日本オラクルが発表した。

 A8.netは、約2万社の広告を300万のサイトに24時間体制で配信する。MySQL Database Service HeatWaveによりファンコミュニケーションズではデータ分析基盤の性能が10倍向上し、インターネット上の成果報酬型広告に求められる高速なリアルタイム分析が可能となった。

 同社はA8.netを支える基幹データベースとして、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)で提供されている「Oracle Autonomous Transaction Processing」を2019年10月に採用。そして、広告の成果や決済サービスの計算に活用されるデータ分析基盤においても、同じくOCIで提供されているMySQL Database Service HeatWaveを導入した。

 リアルタイム分析では、数十億規模のレコードから複数条件での検索を瞬時に行ったり、数百万件の検索・集計を迅速に行ったりすることが求められる。他社サービス上で稼働していた分析基盤では、広告主やパブリッシャーの増加、チャネルの多様化によるデータ量の急激な増加に伴い、データ分析の処理速度が低下し、性能向上には大幅なコストを要することが課題だった。

 同社は、MySQL Database Service HeatWaveを検証し、追加コストをかけずに既存システムよりも高い性能と拡張性を確保できると確認した。自社で開発・運用を行うことができ、移行の際にアプリケーションの変更がない点も評価して同基盤の導入を決定した。

 移行後は、既存アプリケーションをそのまま利用でき、クエリー(データベース管理システムに対する問い合わせ)実行時間の大幅な高速化や、スペック不足によりできていなかったクエリーの実行が可能となった。同基盤によりファンコミュニケーションズでは、データソースの追加、アナリティクスの活用、拡大するアフィリエイトネットワークやメディアクリエイターの要求に応えるための拡張が期待される。

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