凸版印刷とハイフライヤーズは、保育園での園児の居場所や健康状態を可視化する実証実験を10月18日から11月12日まで実施した。凸版印刷が発表した。
千葉県内で認可保育事業「キートスチャイルドケア・ベビーケア」を運営するハイフライヤーズはIT化に取り組んでおり、人の目や経験だけに頼らない保育を目指している。
実証では「キートスチャイルドケア新田町」と「キートスチャイルドケア桜木」の2カ所において、凸版印刷の「ID-Watchy Bio(アイディーウォッチーバイオ)」を活用。同サービスはもともと、位置情報・ネットワークカメラの映像データによる労務管理と生体センサーを連携させてデータを取得することで、作業員の健康状態の把握を目的としている。
保育園などでは近年、園児の安全や健康状態の把握において、人の目や経験に頼らないシステムを導入することでヒューマンエラーを補うことが求められている。バイタルデータを測定し、子どものストレスや異変を可視化することも検討されている。
凸版印刷は、Bluetoothによる位置情報とネットワークカメラによる映像データを組み合わせ、クラウド上で人や資材の動態を可視化し、作業員らの労務状況を分析するサービス「ID-Watchy」シリーズを提供している。実証に用いられたID-Watchy Bioでは、ID-Watchyに電子部品メーカー・ホシデン製のリストバンド型生体センサー「MEDiTAG(メディタグ)」を連携させ、ユーザーの転倒・歩数検知や脈拍・ストレス値をリアルタイムに取得することで健康状態を把握できる。
MEDiTAGの装着イメージ(左)とストレス計測結果のイメージ(右)
実証では、ID-WatchyのカメラとBluetoothを連動させることで、園児の居場所確認を可能にした。また、転倒やストレス値などのバイタルデータ取得により、安全や健康の可視化に有効性を確認したという。計測されたデータを分析することで、転倒原因や人間関係、急な体調不良の把握が期待される。両社は実証の結果を基に、2022年度にキートスチャイルドケア・ベビーケアの13園へID-Watchy Bioを導入することを予定している。