シスコシステムズは11月15日、コラボレーションツール「Webex」の最新ソリューションを紹介する記者説明会を開催した。
シスコでコラボレーション アーキテクチャ事業 執行役員を務める菊池政広氏は、「全ての人にインクルーシブな未来を実現」という同社の目標を紹介し、コラボレーション事業では、働き方改革を通してインクルーシブな社会を実現することを目指していると説明。重点領域としてハイブリッドワーク、コミュニケーションプラットフォーム、カスタマーエクスペリエンスを挙げた。
そのうち、ハイブリッドワークでは、従業員がビジネス上の成果を出せるよう、働く場所がリモートであってもオフィスであってもインクルーシブさを保つ、つまり、場所やツールによって従業員が取り残されないようにすることの実現を進めているという。
コラボレーション アーキテクチャ事業部長の大野秀記氏は、ハイブリッドワークについて、「対面でもオンラインでも、個人が自分の都合に合わせて生産性の高い場所を自由に選択できる働き方」と定義し、それを支えるのがWebexと説明。
Webexを使ったハイブリッド化のユースケースとして、電話業務があるといい、あおぞら銀行ではオフィスでも自宅でも出先でも0ABJ番号をそのまま利用できるようになっているという。また、千葉工業大学は授業、JR東京総合病院では入院時の面会をそれぞれハイブリッド化したとする。大野氏は、この他にもスポーツ観戦やイベント、休眠施設や乗客が少ない時間帯のバスを利用した住民サービスのハイブリッド化もあると紹介した。
今後もこのようなハイブリッド化を加速するため、「対面よりも10倍リッチなコラボレーション体験を提供」「ハイブリッド化が遅れている業務・業種を支援」「パートナーリングの拡大」という取り組みを進めていると大野氏は述べる。
対面よりも10倍リッチなコラボレーション体験を提供するため、より多くの顧客がより簡単に、より手頃な価格でハイブリッドワークに移行できるよう、シスコは、オールインワンパッケージの「Webex Suite」をリリースしている。「Calling」「Messaging」「Meetings」「Polling」「Events」といった5つのライセンスが1つのパッケージになっており、提供されるサービス全てが1つのダッシュボードで管理可能。クラウドで提供されるため、新機能が順次追加されるようになっている。
そのような機能の一つであるリアルタイム翻訳機能では、英語が入力の場合、108カ国語への翻訳や字幕の表示、議事録の作成が可能となっているが、日本語の議事録作成機能が2021年内には実装予定となっている。
日本語による発言の字幕化のデモ。発言内容が画面右に一覧化される。
文字化された発言は、会議後にハイライトとしてまとめることができる。