日立製作所は11月16日、ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」の機能強化を発表した。企業内に散在する中小規模システムと、パブリッククラウドとの透過的なデータ連携を可能にする。
透過的なデータ連携とは、複数の機器やソフトウェア、システムなどを連携して動作させる際に、システムなどを特別に意識することなく使用できる状態を指す。
EverFlex from Hitachiは、企業内システムでのクラウド活用や企業内システムからのクラウド移行、企業システムのクラウドネイティブ構築といったクラウド連携において、ユーザーに適したデータ連携基盤の容易な導入、利用を支援するソリューションやそれらを支える製品群。ストレージやサーバー、関連クラウドサービスなどの製品やサービスを、サブスクリプション型から売切型まで、ユーザーの要望に合わせた柔軟な利用形態で提供している。
同ソリューションにより、ビジネスの状況に最適なハイブリッドクラウドのデータ連携基盤を柔軟かつ適切なコストで利用できるとともに、企業内システムやクラウドに散在したデータの横断的な管理・運用が可能となる。
ハイブリッドクラウドソリューション EverFlex from Hitachiの概要図(出典:日立製作所)
具体的には、導入の容易さを高めた新ミッドレンジストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)E390」をソリューション基盤に加える。VSP E390を追加することで、さまざまな機種のストレージやクラウドストレージを最大64PiBまで仮想的に統合/分割し、用途ごとに割り当てるなどといった一元的な管理・運用が可能になる。さらに、VSPファミリー共通のデータコピー技術を利用し、ネットワークの帯域が変動しやすい環境でも、クラウドへの安定したバックアップ運用が可能となる。
VSP E390は、世界中で多くのミッションクリティカルシステムに採用されているストレージ仮想化技術をはじめとする高信頼なデータ管理/運用技術を、中小規模のシステム環境にも低コストで導入、利用することを可能にする。
また、フラッシュストレージへのデータアクセスに最適化された通信プロトコルであるNVMeに対応しており、NVMeの採用が進んでいるエンタープライズストレージのデータ処理方式を継承する。さらに、VSP E390のデータ処理性能に影響を与えることなくフラッシュデバイスの消費電力を低減する機能により、従来システムと比較して環境負荷を低減している。
同ソリューションの価格は個別見積もり。参考価格としてVSP E390の最小構成では、サポート保守、導入サービス込みで月額34万4000円から。