日本マイクロソフトは11月26日、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するマーケティング施策「Find new value on Azure」を開始すると発表した。指定テンプレートで簡易的な事業計画を提出し各種特典を得られる「Find new value on Azure Marketing Accelerator(FAMA)」を提供する。Azureビジネス本部 プロダクトマーケティング部長の田中啓之氏は、「皆と手を取り合ってDXを推進するためのプログラム」と説明した。

日本マイクロソフト Azureビジネス本部 プロダクトマーケティング部長の田中啓之氏
FAMAは、主にパートナー企業を支援するためのプログラムという。FAMAでは、Find new value on AzureのキービジュアルやPowerPointのテンプレートなどクリエイティブ素材の無償提供、Find new value on Azure特設サイトでの露出、技術情報に限定した「Microsoft Base blog」への投稿、Microsoft Azureの各種支援プログラムの利用相談、概念実証に限定したMicrosoft Azureの無償利用環境(上限あり)を用意する。

「Find new value on Azure」のキービジュアル
同社では、2019年12月からパートナーソリューションの体験や実証実験などを行う施設「Azure Base」を展開する。コロナ禍で対面接触を避けるため活動が控えられていたが、7月に「Microsoft Base」と名称を変更、今回活動を再開した。これに合わせて日本ビジネスシステムズ運営の「Microsoft Base Toranomon」、TOSYS運営の「Microsoft Base Nagano」も開設されることになった。田中氏は「日本地域で異なる課題やパートナー企業が存在する。地域と密に連携してDXを支援する」とし、2023年6月までに全都道府県へMicrosoft Baseを拡大を目指すという。

全都道府県に展開予定の「Microsoft Base」
今回の発表会では、日本の独自施策として「Solution Competency Center」を開始することも発表した。「パートナーの知見やノウハウなどを用いて、一緒にセンターオブエクセレンス(CoE)を構築する」(田中氏)とし、パートナー企業と共同の市場展開の強化、顧客企業へのソリューション知見・能力の譲渡を目的した取り組みになる。
他方で同社は、大企業の新規事業担当者を支援する「Empower Japan Intrapreneur Community」も運営。直近の「シーズン2」では23社36人が参加したが、「シーズン3」の開催を決定。「2022年2月に応募受付を開始し、4月から半年をかけてプログラムを実施する。想定募集人数は約30人」(田中氏)という。
今回の発表会では、Microsoft Azure勉強会も合わせて開催。Windows ServerとAzure Stack HCIの役割や、Microsoft Azureに最適化したWindows Server「Windows Server 2022 Azure Edition」の概要、Azure Arcの更新内容、Azure Monitor InsightsによるAzure Stack HCI監視機能の強化、Azure Virtual Desktop for Azure Stack HCIのプレビュー版提供など多岐にわたる説明が行われた。

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