Amazon Web Services(AWS)が、Amazonのフルフィルメントセンターで利用してきたテクノロジーをベースに、クラウドサービスでロボットのフリート管理を拡充させようとしている。
AWSは現在開催中のイベント「AWS re:Invent」で、「AWS IoT RoboRunner」のパブリックプレビューを発表した。ロボットのフリートが相互にシームレスに活動できるよう支援するアプリケーションを企業が容易に開発、デプロイできるようにする新たなロボティクスサービスだ。
AWSは、ロボティクス開発者向けのクラウドベースのシミュレーションサービス「AWS RoboMaker」を提供している。AWS IoT RoboRunnerは同社の新たなロボティクス関連サービスとなる。
AWSによれば、AWS IoT RoboRunnerはロボットを作業管理システムに接続し、オペレーション全体の作業を単一のシステムビューで組織的に調整できるようにする。AWS Roboticsを担当する製品マネージャーのEric Anderson氏はインタビューで、ロボットフリートの規模拡大がさまざまな業界で課題となっていると指摘した。「スケーリングと多様性の両面で課題がある」とし、「さまざまなタイプのロボット、機器、部品、ペイロードが動き回る」と述べた。
また、企業は古いロボットを残したまま、次世代のロボットを追加で導入している。AWSは、さまざまな世代のロボットをうまく連携させるクラウドレイヤーを提供しようとしている。物流、製造、運輸、フルフィルメントなどの業界が対象となる。
- 「AWS Management Console」でファシリティを作成する。一元化されたリポジトリーを自動的に作成し、ファシリティ、ロボット、目的地、タスクデータなどを保存できる。ロボットはフリートとしてセットアップされ、個々のロボットはフリート内の「ロボット」としてAWS IoT RoboRunnerでセットアップされる。
- AWS IoT RoboRunneの「Fleet Gateway Library」をダウンロードし、ロボットとシステムをつなぐをインテグレーションコードを開発できる。
- 「AWS Lambda」や「AWS IoT Greengrass」などのサービスを利用し、ロボティクス管理アプリケーションを開発するツールがある。
- ロボット、システムの状態、タスクの進捗を同じインターフェースで確認できる単一のシステムビューを実現するため、アプリケーションを構築できるAPIを提供する。
このほか、AWSはロボティクスの新興企業にメンタリングを実施することを目的とする「AWS Robotics Startup Accelerator」を発表した。このアクセラレーターは、MassRoboticsとのコラボレーションの一環となる。MassRoboticsと連携し、4週間のプログラムを提供する。技術的な障壁を解消できるよう、両社のエキスパートに相談できるほか、プログラムには、ロボティクスに関するAWSのソリューションの実地訓練や、AWS IoT、ロボティクス、機械学習サービスなどを利用するためのAWSプロモーションクレジット最大1万ドル分などが含まれる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。