JetBrainsは、同社の統合開発環境(IDE)のフロントエンドとバックエンドを分離し、開発者がインターフェースを使用するマシンと、ソースコード、ツールチェーン、IDEバックエンドを管理するマシンを分けることができるようにしている。
提供:JetBrains
新しい「JetBrains Gateway IDE」ランチャーを利用し、SSHを介してリモートマシンと接続する。現時点でサポートされているサーバーは、「Linux」ベースの物理マシンと仮想マシンのみとなる。
「『JetBrains Client』はローカルで動作し、IDEバックエンドのユーザーインターフェースを提供する。『IntelliJ』プラットフォームを基盤としているため、IntelliJベースのIDEと同じような使用感だ。ローカルIDEと同じエディター、コード補完、ナビゲーション、インスペクション、リファクタリングのツールを備えている。しかし、ファイルはすべてリモートでホスティングされ、言語処理もすべてリモートサーバーで行われる」と、同社はブログ記事で述べている。
「リモート開発は強力なクラウドベースのサーバーを活用し、再現性のあるクリーンな開発環境を構築できる素晴らしい方法だ。また、大切なソースコードが入ったノートPCの紛失といった心配もしないですむ」(同社)
リモート開発の制約としては、無償のコミュニティー版ではない「IntelliJ IDEA Ultimate」でのみ利用可能であることや、ユーザーのプラグインをローカルとリモートの両方にインストールしなければいけないことなどが挙げられる。
同社によると、「JetBrains Clientからリモートでプラグインをインストールできるように、取り組んでいる」という。
JetBrains Gatewayには、IntelliJ IDEA Ultimate、「PyCharm Professional」「GoLand」「PhpStorm」「RubyMine」が同梱され、「CLion」と「WebStorm」ではスタンドアロンで使用できる。
また同社は、「Fleet」の限定プレビューを公開して、軽量エディターの世界にも足を踏み入れた。同社によると、「新しいアーキテクチャーを使って、ゼロから構築」したという。
Fleetはテキストエディターとして起動し、スマートモードを有効にすると、言語に応じて、IntelliJ IDEAまたは「Language Server Protocol」ベースのバックエンドに接続する。そして、リファクタリング、ハイライト、コード補完、型情報などの機能を提供する。複数のクライアントを同じバックエンドに接続できるため、共同開発にも使用できる。
提供:JetBrains
Fleetは現在、「Java」「Kotlin」「Python」「Go」「JavaScript」「Rust」「TypeScript」「JSON」をサポートしており、近々「PHP」「C++」「C#」「HTML」にも対応する予定だ。
さらにJetBrainsは、同社サーバーで動作する「Space」で、Docker開発環境の提供を開始した。
「Spaceは、Gitリポジトリーのクローン作成、プロジェクトインデックスの構築、依存関係の解決など、作業用バックエンドの準備をしてくれる」と同社は説明する。
ユーザーが環境を30分間使用しないと、コンテナは自動的にシャットダウンされ、保存されていない変更は保存される。コンテナは現在、1つのリポジトリーに対応している。
現在、4コア、8コア、16コアの仮想マシンが、8GB、16GB、32GBのメモリー構成で提供されている。価格はそれぞれ1時間あたり0.40ドル、0.80ドル、1.60ドル、開発環境の保存は1時間あたり0.008ドルとなっている。
開発環境には、GatewayがサポートするIDE、またはFleetを使ってアクセスできる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。