Amazon Web Services(AWS)は、メインフレームやレガシーなワークロードをクラウドに素早く容易に移行し、AWSのアジリティー、弾力性、コストなどのメリットを生かすことができる新サービス「AWS Mainframe Modernization」を発表した。
最高経営責任者(CEO)のAdam Selipsky氏は、「AWS re:Invent」カンファレンスで、このメインフレーム移行サービスの概要を説明した。
「メインフレームは高価かつ複雑であり、レガシーなプログラミングを伴う」とSelipsky氏は言う。「もっと良い方法が必要だ。非常に多くの顧客がメインフレームから離れようとしている」
Selipsky氏によると、メインフレームのワークロードをクラウドに移行することで、顧客は最大70%のコスト削減を実現している。リフト&シフト方式を採用する顧客もいれば、もっと細かいアプローチをとる顧客もいる。いずれも、メインフレームからの移行は完了までに数カ月~数年を要する場合もある。
「この道のりは私たちが望むほど平坦ではなかった」とSelipsky氏は述べた。
AWS Mainframe Modernizationで、顧客はメインフレーム向けにCOBOLなどのレガシーなプログラミング言語で書かれているアプリケーションをJavaベースのクラウドサービスへと変換し、メインフレームのワークロードをAWSで実行するようリファクタリングすることができる。
AWS Mainframe Modernizationは現在、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(シドニー)、欧州(フランクフルト)、南米(サンパウロ)などのリージョンでプレビューを利用できるようになっている。今後数カ月でさらなるリージョンで利用可能になる。
ここでの重要な問題は、主に大規模な銀行や金融サービス企業などのメインフレームの顧客が完全にクラウドに移行するかどうかだ。IBMの「Z」メインフレームは、新製品が発売されるたびに売り上げを伸ばしている。また、IBMは「Linux」やコンテナーに対応し、メインフレームをモダナイズさせている。
AWSは確かに、そのようなメインフレーム市場の一部を求めているだろう。しかし実際には、いずれ衰退すると長年一部で予想されてきたメインフレームは存続している。短期的には、メインフレーム向けのハイブリッドなアプローチが台頭するかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。