最近では仮想デスクトップ基盤(VDI)ソリューションの印象が強い米Citrix Systems(以下、Citrix)が新たな事業展開に注力している。創業30年を超える老舗ベンダーは果たして進化し続けられるか。
「デジタルワークスペースソリューション」とは何か
写真1:シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長の尾羽沢功氏(「Citrix Future of Work Tour 2021 Japan−Digital」より)
「私たちはこれから一層幅広いデジタルワークスペースソリューションを提供し、お客さまのさまざまな課題を解決していきたい」
Citrixの日本法人シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長の尾羽沢功氏は、同社が11月24〜26日にオンラインで開いた年次イベント「Citrix Future of Work Tour 2021 Japan−Digital」の初日キーノートでこう強調した(写真1)。
Citrixが提供する「デジタルワークスペースソリューション」とはどのようなものか。尾羽沢氏は次のように説明した。
「私たちのこれからの働き方は、オフィスとリモートによるハイブリッドワークが主流になっていくだろう。そして、ハイブリッドワークの環境下で『ハイパーイノベーションの時代』を迎えると当社では見ている。ハイパーイノベーションとは、デジタル技術を駆使してコラボレーションを促進し、そこからイノベーションが生まれて継続的な成長につながることだ。このハイパーイノベーション時代に向けたデジタルワークスペースソリューションを提供していくのが、当社の使命だと考えている」
さらに、尾羽沢氏はこう続けた。
「ハイパーイノベーション時代のデジタルワークスペースにおいては、コラボレーションの促進および生産性とセキュリティを両立させるとともに、それらを支えるしっかりとしたITインフラを装備することが非常に重要になる。当社が提供するデジタルワークスペースソリューションは、これらの領域を全方位でカバーするものとなる」
図1が、同社のデジタルワークスペースソリューションを構成する製品群である。尾羽沢氏はこの図を示しながら、次のように話した。
図1:Citrixのデジタルワークスペースソリューションを構成する製品群(「Citrix Future of Work Tour 2021 Japan−Digital」より)
「当社は従来よりVDIを中心としたワークスペースおよびネットワーク分野のソリューションを提供している。それらについては今後もコア製品として引き続き強化していく。さらに、最近ではセキュリティやコラボレーションワーク管理の分野にも事業を広げている。とりわけ、(2021年1月に)買収したWrikeはコラボレーションワーク管理分野をリードするベンダーとして注目されており、新しいファミリーとして大いに注力していきたいと考えている」