今回は第2回で作成した価格データを格納したCSVファイルを毎週チャットで報告するフローを「Power Automate」で作成する。Excelにインポートする手順を加えようと思ったが、「Microsoft 365 Business Standard」で利用しやすいコネクターが見当たらないので省略した。
- 「スケジュール済みクラウドフロー」を作成
- OneDrive for BusinessのファイルURLを取得
- Microsoft Teamsのチャットへメッセージを送信
以上がフローの概要だ。ステップ1は最近追加されたもので、フローを実行するタイミングと頻度を選択できる。繰り返し感覚は秒、分、時間、日、週、月から選択できるため、自動バックアップなどにも利用できる便利な機能だ。ただし実行性能などは契約ライセンスによって異なるため、自社導入時は公式ドキュメントを一読してほしい。
ステップ2は「OneDrive for Businessコネクター」の「共有リンクを作成」を使用する。ファイルの共有リンクを格納した変数「Web URL」を使い、ステップ3の「Microsoft Teamsコネクター」の「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」を作成する。
※クリックすると拡大画像が見られます
上図で分かるように、条件分岐もループもない一本道の流れだ。「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」では、「投稿者」はボットのままにするか、自身にするか選択可能。後者の場合は自身のメールアドレスを使用する。
「投稿先」は「Chat with Flow bot」で構わないが、投稿者を自身に変更した場合は「Group chat」を選択すればよい。「Recipient」は報告する上長などのメールアドレスを入力し、「Messege」に簡単な概要と前述した「Web URL」を挿入して完了だ。
※クリックすると拡大画像が見られます
プログラムに慣れている方であれば、Power Automateは簡単な部類に入るが、業務工程は頭に入っていてもITに不慣れな方には厳しい部分もある。そのような方がフローを作成する際は、「実行履歴」を確認してほしい。文字通り実行したフローの内容を確認するものだが、ここでは入出力情報を検証できる。
例えば、下図で示した「共有リンクを作成する」の場合、「Web URL」に正しい情報が格納されているか否かが判断材料となるだろう。URLを取得できない場合はファイルのパスが正しいのか、OneDrive for Businessのライセンスが割り当てられていないかなど、各所を確認するとよい。コーディングはトライ&エラーである。
※クリックすると拡大画像が見られます
もう1つは公式ドキュメントの参照だ。たとえば「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」のドキュメントでは、入力値となるパラメーターを確認できる。今回は扱っていない日付や数値を用いる場合、入力形式や出力形式を事前に確認すれば、意図する加工が可能になるだろう。