「Power Automate」で競合製品の価格調査を自動化する

阿久津良和

2021-12-06 08:00

 今回は第2回で作成した価格データを格納したCSVファイルを毎週チャットで報告するフローを「Power Automate」で作成する。Excelにインポートする手順を加えようと思ったが、「Microsoft 365 Business Standard」で利用しやすいコネクターが見当たらないので省略した。

  1. 「スケジュール済みクラウドフロー」を作成
  2. OneDrive for BusinessのファイルURLを取得
  3. Microsoft Teamsのチャットへメッセージを送信

 以上がフローの概要だ。ステップ1は最近追加されたもので、フローを実行するタイミングと頻度を選択できる。繰り返し感覚は秒、分、時間、日、週、月から選択できるため、自動バックアップなどにも利用できる便利な機能だ。ただし実行性能などは契約ライセンスによって異なるため、自社導入時は公式ドキュメントを一読してほしい。

 ステップ2は「OneDrive for Businessコネクター」の「共有リンクを作成」を使用する。ファイルの共有リンクを格納した変数「Web URL」を使い、ステップ3の「Microsoft Teamsコネクター」の「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」を作成する。

フローの全体像 フローの全体像
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 上図で分かるように、条件分岐もループもない一本道の流れだ。「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」では、「投稿者」はボットのままにするか、自身にするか選択可能。後者の場合は自身のメールアドレスを使用する。

 「投稿先」は「Chat with Flow bot」で構わないが、投稿者を自身に変更した場合は「Group chat」を選択すればよい。「Recipient」は報告する上長などのメールアドレスを入力し、「Messege」に簡単な概要と前述した「Web URL」を挿入して完了だ。

フローが実行されると、Teamsのチャットにメッセージが届く フローが実行されると、Teamsのチャットにメッセージが届く
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 プログラムに慣れている方であれば、Power Automateは簡単な部類に入るが、業務工程は頭に入っていてもITに不慣れな方には厳しい部分もある。そのような方がフローを作成する際は、「実行履歴」を確認してほしい。文字通り実行したフローの内容を確認するものだが、ここでは入出力情報を検証できる。

 例えば、下図で示した「共有リンクを作成する」の場合、「Web URL」に正しい情報が格納されているか否かが判断材料となるだろう。URLを取得できない場合はファイルのパスが正しいのか、OneDrive for Businessのライセンスが割り当てられていないかなど、各所を確認するとよい。コーディングはトライ&エラーである。

実行履歴では各ステップの詳細情報を確認できる 実行履歴では各ステップの詳細情報を確認できる
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 もう1つは公式ドキュメントの参照だ。たとえば「チャットまたはチャネルでメッセージを投稿する」のドキュメントでは、入力値となるパラメーターを確認できる。今回は扱っていない日付や数値を用いる場合、入力形式や出力形式を事前に確認すれば、意図する加工が可能になるだろう。

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