下着やルームウェアなどを展開するピーチ・ジョンは、日本ユニシスのライブコマースサービス「Live kit(ライブキット)」を採用した。新しい顧客体験(CX)を提供し、消費者との継続的な関係を構築することが目的。日本ユニシスが12月8日に発表した。
コロナ禍で消費者の商品購入プロセスが大きく変化し、オンラインでライブ配信と商品販売が同時に行えるライブコマースへの注目が高まっている。加えて、第5世代移動通信システム(5G)の本格実用化でライブ配信を活用したコミュニケーションの利用が増え、ライブコマースの採用を検討する事業者が増加すると予想されている。
下着ブランドの「PEACH JOHN」は11月18日、Live kitを活用して初のライブコマースを開催し、当日は多くの消費者が参加したという。ライブコマースにより同ブランドは、新たなチャネルで消費者と交流するとともに、店舗への来店が難しい消費者に購買機会を提供する。
PEACH JOHNのライブ配信ページ(左)、配信の様子(中央)、商品購入の様子(右)
Live kitでは、自社の電子商取引(EC)サイト上で、ライブ配信をしながら商品を販売できる。ライブ配信を見ている消費者は、気になったアイテムをその場で購入することが可能。物販を伴わないコンテンツ配信や商品・サービスのプロモーションにも利用できる。
同サービスでは、全ての機能を一つのライブ画面で操作可能。別ページに用意した購入画面へ誘導する場合と違い、視聴者の購買意欲を下げることなく販売につなげることができるとしている。主な機能には、チャット、販売・決済(クレジットカード/後払い決済)、投げ銭によるプレゼント提供、紹介商品などの詳細情報の公開、SNS連携、管理者向け運用管理がある。日本ユニシスは、同サービスを活用した顧客企業のライブ配信において、ライブ企画、台本制作、撮影、現場ディレクションなどを支援する。
日本ユニシスは商品販売のほか、旅行、エンタメ系企業によるコンテンツのライブ配信や、学校、会員組織、公共機関など非物販事業者によるウェブマーケティングにLive kitを活用できると想定している。同社は、ライブコマースで得られる消費者とのコミュニケーションデータを活用した事業者支援など、顧客情報管理(CRM)だけでなく接客・販促に関する事業を拡大していく。