「社会成長の生命線」になる--キンドリルが示す今後の成長戦略

藤本和彦 (編集部)

2021-12-10 07:00

 キンドリルジャパンは12月9日、報道関係者向けのオンライン説明会を開催した。同社 社長の上坂貴志氏が今後の成長戦略などを語った。

キンドリルジャパン 社長の上坂貴志氏
キンドリルジャパン 社長の上坂貴志氏

 米KyndrylはIBMのマネージドインフラストラクチャーサービス事業を引き継ぐ形で2021年9月1日付で事業を開始。11月4日には分社化を完了し、独立した企業としてニューヨーク証券取引所に上場している。ITインフラストラクチャーの構築と運用サービスの提供を中核とし、60カ国以上の国と地域で事業を展開する。

 日本法人のキンドリルジャパンも同様で、9月1日時点で東京、大阪など29カ所に国内拠点を構える。上坂氏は1994年に日本IBMにシステムエンジニアとして入社して以来、「IBM一筋」で金融領域などを担当し、日本IBM 執行役員 グローバル・テクノロジー・サービス(GTS)事業本部 インフラストラクチャー・サービス事業部長などを歴任した。

 上坂氏は、Kyndrylの社名の由来について説明。「Kyn」は親族のような関係を表す「kinship」から派生した表現であり、社員や顧客、パートナーとの強い絆と良好な関係を育む姿勢を表した言葉で、「dryl」は植物などのつるを意味する「tendril」から派生した表現で新しい成長とつながりを表し、社会成長に向けて共に取り組む姿勢を思い起こさせる言葉だとした。

 キンドリルジャパンは自社に加えて、デリバリーの中核を担い顧客のデジタル変革(DX)を推進するキンドリルジャパン・テクノロジーサービス(KJTS)と、販売活動から管理までを一括でサポートするキンドリルジャパン・スタッフオペレーションズ(KSOK)の3社でグループを構成する。

キンドリルジャパングループ
キンドリルジャパングループ

 同社の存在意義(パーパス)について、上坂氏は「境界を超え、チームの力で未来を築く要となる社会基盤を創造する」であると紹介し、「社会成長の生命線」になることを目指しているとした。

 キンドリルジャパンでは「クラウド」「メインフレーム」「デジタルワークプレース」「アプリケーション&データAI」「セキュリティ&レジリエンシー」「ネットワーク&エッジ」の6つを技術領域としてカバーし、そこに「コンサルティング&デザイン」「インフラ構築」「マネージドサービス」「カスタマーサービス&サービス品質」などのサービス領域がある。

 「エンジニアやプロジェクトマネージャー、アーキテクト、コンサルタントなど、インフラに精通した人材が多くいるのが強み」と上坂氏はアピールする。

キンドリルの提供する価値
キンドリルの提供する価値

 同社の戦略については、安定運用と有事の備えを万全にし、顧客の期待に応える「Customer Success & Service Excellence」を“戦略0”とし、アーキテクチャー設計とインフラ構築・運用、モダナイゼーションなどを支援する「Service Innovation」を“戦略1”、インダストリー基盤と業界を超えたサービス基盤の構築を目指す「Business Model Innovation」を“戦略2”、オープンで柔軟なアライアンスによる新たなビジネスモデルの構築を目指す「Ecosystem Innovation」を“戦略3”に挙げた。

 キンドリルジャパンでは、特にCustomer Success & Service Excellenceに力を入れるといい、「お客さまとの信頼関係の構築と継続的な品質向上が一貫した変わらない価値」(上坂氏)を提供するとした。また、自動化やAI技術、ITプロセスの変革、ベストプラクティスの活用などを通じたITの価値向上と、システムの観点だけでなく経営視点にも踏み込んだ品質向上の支援などにも取り組んでいくという。

キンドリルジャパンの組織構成
キンドリルジャパンの組織構成
キンドリルジャパンが描くIT インフラストラクチャーの近未来
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