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NRI、サプライチェーンにおける温室効果ガスの排出量把握を支援

大場みのり (編集部)

2021-12-16 11:06

 野村総合研究所(NRI)は12月15日、企業が自社のサプライチェーンにおける二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス(GHG)排出関連情報の追跡を可能にする「カーボントレーシングシステム」(NRI-CTS)のプロトタイプを開発したと発表した。2021年12月から2022年3月にかけて、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)への対応や製品別のGHG排出状況の追跡に、NRI-CTSを適用する概念実証(PoC)を実施する。

 企業の脱炭素に向けた取り組みとして、自社と取引先が排出するGHGの量を「SCOPE1、2、3」に分類して測定・算出し、その結果を開示する取り組みが行われている(図1)。

 多くの企業は、SCOPE3のサプライチェーンにおけるGHG排出量の提供をサプライチェーンの構成企業に依頼しているが、取引先からの個別調査に対応する負荷が大きく、排出量計算の正確性担保が難しいなど、さまざまな課題が生じている。今後、GHG排出量の開示に取り組む企業が増えるにしたがって、こうした課題は各社にとって大きな負担になると予想される。


 SCOPE3については、取引先から排出量の提供を受ける方法(実測値)と、活動量を自社で収集し、該当する排出原単位を掛け合わせることで算定する方法(原単位計算)が認められている。後者を採用する企業が一般的だが、排出原単位の見直しは頻繁ではないため、サプライチェーン各社における取り組みの成果が適切なタイミングで反映されないという課題がある。

 今後、他社がエネルギー原単位の引き下げやRE100(自社事業の使用電力を100%再生エネルギーで賄うことを目指す国際的な企業連合)の利用を促進したり、カーボンオフセットの取り組みを進めたりして得られた成果をタイムリーにSCOPE3の排出量へ取り込むには、サプライチェーンにおける実測値によって排出量を把握する必要がある。実測値による排出量把握を支援するため、NRI-CTSは以下の4つを行う。

1. 実測値に基づくサプライチェーンのGHG排出状況把握の支援と排出量の追跡

サプライチェーンにおいて企業/製品単位といった多様な解像度でGHG排出状況を伝達する際、トレーサビリティーの確保と改ざんリスクの排除を可能にするという。社内で消費した環境価値やクレジット分のみを自動的に減算処理し、減算分について送信先が確認できるよう公開できる機能を搭載している。

2. 使いやすいインターフェースで容易に情報展開

ウェブベースで証書や取引関係の登録・情報入力・編集を行い、情報の送受信を電子メールのように行うことができる。データインポートや受信データのエクスポート機能、受信データの期間を指定した集計機能も搭載しており、TCFDに関する報告にも活用できる。

3. エネルギー消費量やオフセット状況、正確性に関する情報も同時に伝達

カーボンフットプリント(製品ライフサイクル全体のCO2排出量)、エネルギー消費量、それまでのカーボンオフセット量、再生可能エネルギー利用量、GHG排出削減量、GHG排出量計測/算定の正確性に関する情報を同時に伝達できる。

4. SCOPE1における他社の取り組みとの連携

主体間連携に焦点を当てており、SCOPE1の可視化に関しては、事業会社だけでなく他のシステムプロバイダーのソリューションと連携することも視野に入れている。

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