人工知能(AI)プラットフォームを提供するAI insideは12月20日、「DX Suite」でAIを活用した光学文字認識(AI-OCR)機能を拡充し、新たな非定型帳票モデルとして保険証券の読み取りに対応したことを発表した。
今回の対応帳票の拡充により、保険証券の内容の読み取りをAI-OCRによって効率化し、過去に販売した保険内容のデータベース化を支援するとAI insideは説明。データ活用により、顧客への最適なプラン提案を実現するなど、業務効率化によりコア業務へ専念できる環境づくりと保険業界のデジタル変革(DX)推進に貢献するとしている。
保険証券は、各種保険の新規加入時に発行され、補償内容や保険料などが記載される。営業担当者が法人企業の顧客に最適な保険プランを提案する有効な手段として、既に加入している保険証券の内容と新しいプランを比較した分析表を作成するケースがあるという。その場合、過去に販売した保険証券の内容を目視で確認した上で必要情報を手入力することになる。
過去に販売した保険はバリエーションが豊富である上、大企業などは従業員数に比例して入力項目が多くなることもあり、従来の分析表作成には多大な時間と労力がかかっていたという。
保険証券の読み取りに対応したDX SuiteのAI-OCRを活用することで、契約者情報だけでなく、保険料や契約内容、解約返戻金、その他特約などを含めた保険証券内の33項目を迅速にデジタルデータ化することができる。これにより、従来発生していた手入力業務の工数を低減し、 人的な入力ミスも防げるようになる。さらに、他システムと連携することで、分析表作成の自動化も可能になるという。
DX Suiteは、AI inside独自開発の“文字認識AI”を搭載したAI-OCR「Intelligent OCR」と大量帳票を同一フォーマットごとに仕分ける「Elastic Sorter」を搭載し、さまざまな情報をデジタルデータ化するためのアプリケーション。
Intelligent OCRは、従来のOCRでは読み取りが困難とされた手書き文字も高精度に読み取り、日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、タイ語、ベトナム語に対応。さらに、ユーザが自身の情報をコントロールできるプライバシーコントロール機能も備え、AIによる学習可否を選択することができるようになっている。