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「2022年は『ファーストDXパートナー』へさらに前進する年に」--日鉄ソリューションズ社長の決意

聞き手・文=松岡功

2022-01-07 06:00

 システムインテグレーター(以下、SIer)大手の日鉄ソリューションズ(以下、NSSOL)が、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援事業に一段と注力している。目指すは「ファーストDXパートナー」。そんな同社の代表取締役社長 森田宏之氏に「2021年の総括と2022年の方針」について聞いた。

日鉄ソリューションズ 代表取締役社長の森田宏之氏
日鉄ソリューションズ 代表取締役社長の森田宏之氏

中期事業方針で打ち出した4つの注力領域とは

 「2022年は『ファーストDXパートナー』へさらに前進していきたい」――。この発言は、森田氏が今回のインタビュー取材で2022年に向けた大方針として打ち出したものである。最も重要なキーワードは、「ファーストDXパートナー」だ。その意味や取り組みについては後ほど説明するとして、取材では2021年の総括と2022年の方針について話を聞き、まずは2021年を総括してもらった。

 実は、2020年12月に同じテーマでインタビュー取材した際には、「2021年は本格的なDX“夜明け”の年になる」と予見していた。結果はどうだったか。森田氏は、次のように振り返った。

 「夜明けどころか、もうだいぶ日が昇りつつある感じだ。DXは、当初バズワードの印象が強かったが、2021年は多くのお客さまが取り組むようになり、当社としてもご支援する機会が増えた。その内容として私が実感しているのは、人工知能(AI)などの新たな技術を活用するのもさることながら、DXの基盤となる『データドリブン経営』を目指すお客さまが増えてきている点だ。それは、当然ながら基幹業務システムにも大きく影響する話になる」

 この発言の中でのキーワードは、「データドリブン経営」だ。それを踏まえて2022年は、どのような方針を掲げるのか。森田氏は、その前提として2021年4月に打ち出した「2021~2025年度 中期事業方針」の内容から、さらなる成長に向けた「注力領域」と「目指す姿」について、以下のように説明した。

 注力領域としては、「デジタル製造業」「プラットフォーマー支援」「デジタルワークプレイスソリューション」「ITアウトソーシング」の4つを挙げている。

 デジタル製造業については、「(親会社である)日本製鉄のDX推進と製造業のお客さまのDX推進を両輪に成長を図る」(森田氏)構えだ。また、この取り組みにおいてNSSOLのDX支援に向けたアプローチの詳細を見て取ることができるので、2021年8月に行われた記者説明会のレポート記事を参照していただきたい(図1)。

図1.デジタル製造業の概要(出典:日鉄ソリューションズ)
図1.デジタル製造業の概要(出典:日鉄ソリューションズ)

 プラットフォーマー支援については、ネットサービスなどのプラットフォーマーが同社の顧客に名を連ねていることから、そうした「プラットフォーマーの多様かつスピーディーな事業拡大を積極的に支援していく」(同氏)という。

 デジタルワークプレイスソリューションについては、「ニューノーマルな働き方に向けたお客さまの将来像を見据え、IT施策の導入から運用までお客さまの業務に合わせたインテグレーションを提供していく」(同氏)としている。

 ITアウトソーシングについては、「データセンターを含めたITインフラから統合運用までを一貫して提供していく」(同氏)構えだ(図2)。

図2.ITアウトソーシングの概要(出典:日鉄ソリューションズ)
図2.ITアウトソーシングの概要(出典:日鉄ソリューションズ)

 森田氏は、こうした注力領域を明示し、中期事業方針においてNSSOLが目指す姿として掲げたのが「ファーストDXパートナー」である。従って冒頭で紹介した森田氏の発言にあるように、同社にとって2022年は、この目指す姿に向かってまい進していく年となる。

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