2021年後半は、米Facebookの社名変更と巨額の投資などで、仮想空間「メタバース」に再び注目が集まった。プライベートの交流のほか、会議など業務への活用も期待されている。そんな中、ある日の「ZDNet Japan」編集会議で、「Second Lifeとかあったよね」という話題になった。
1994年生まれの筆者は知らなかったが、先輩記者たちによると「Second Life」はメタバースの元祖ともいえる3次元インターネットサービスだという。米Linden Labが展開する同サービスは2003年に商用化され、日本でも2006年頃から話題になった。新しい技術や概念に基づくウェブサービスの総称「Web 2.0」が提唱される中、複数の大手企業が参入したが、求められるPCスペックが高いことやSNSの出現などにより、2007年頃をピークにユーザー数は減少したそうだ。
本記事では、アバター文化には親しみがある一方、2000年ゼロ年代の盛り上がりを知らない筆者がSecond Lifeを体験し、使いやすさやエンターテインメント性、会議やイベントに活用できるかをレポートする。
自分の見た目を再現するのに苦戦
Second Lifeのソフトをダウンロードし、ホーム画面に降り立つと、意外なことに他のユーザーがちらほら通り過ぎる。アバターを作ろうと左端のボタンを押すと、女性や男性、天使や吸血鬼などのキャラクターが並ぶ。初期設定を女性にしていても、男性の格好もできるようだ。

ユーザー名は、ファーストネームである「Minori」が使われていたため、「Minoridesuyo」で登録。比較的コンサバティブな格好の女性アバターを選択した
アカウントを右クリックして「Shape」を押すと、身長や目鼻立ちをカスタマイズできる。Second Lifeでは何にでもなれるのが魅力のようだが、今回は自分に寄せてみた。いろんなパーツの形や大きさを変えられるが、まつげを最短にしても長かったりと、日本人である自分を再現するのは大変だ。カスタマイズ時の画面がいちいち「ロード中」となるのも難点である。しばし格闘して、何とか自分の風貌に近づけた。
Second Life内の電子商取引(EC)サイト「MARKETPLACE」では洋服やウィッグなどが売っており、アバターに着せることが可能。セカンドライフの通貨「L$(リンデンドル)」を事前に購入してショッピングをするほか、「0L$」と書かれた無料のアイテムで一式そろえることもできる。

カスタマイズする前の方が自然だったのは否めない。黒髪にしたらなぜか帽子のトップ部分も黒くなってしまったが、試行錯誤してカスタマイズした分、愛着は湧く