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松岡功の「今週の明言」

DX事業に注力するHPEは「真のDXプラットフォーマー」になり得るか

松岡功

2021-12-24 11:08

 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏と、McAfee Enterprise 執行役セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏の発言を紹介する。

「DXプラットフォームを“クラウドサービス”として提供していく」
(日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏)

日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏
日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は先頃、今後の事業方針について記者説明会を開いた。望月氏の冒頭の発言はその会見で、同社が注力するデジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォーム「HPE GreenLake」をクラウドサービスと同様の「アズ・ア・サービス」によるビジネスモデルで提供していくことを強調したものである。

 会見の内容は速報記事をご覧いただきたい。また、HPE GreenLakeを巡る望月氏の発言については、本連載でも2021年6月4日掲載の「面白い存在になるかも--HPEが打ち出したDXプラットフォームのポテンシャル」や7月16日掲載の記事でも取り上げているので参照していただきたい(図1)。

図1:HPEのDXプラットフォーム(出典:日本ヒューレット・パッカード)
図1:HPEのDXプラットフォーム(出典:日本ヒューレット・パッカード)

 今回は、この機会にIT業界のDXプラットフォーム競争の構図について、筆者なりの洞察を記しておきたい。

 筆者が描いている構図は、グローバルでパブリッククラウドサービスを提供するAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft、Googleと、自らは同サービスを提供していないHPEやDell Technologies(以下、Dell)との、ユーザー企業から見たファーストコンタクト先の主導権争いである。業界の構図からいえば、DX事業におけるエコシステムの要になるのはどこか、ということだ。

 補足で説明しておくと、まずHPEやDellは、ハイブリッドクラウドを構築するための製品やサービスは共に充実している。加えて、パブリッククラウドサービスについては両社とも上記の3社のいずれとも適時、連携するパートナーシップを結んでいる。従って、上記の主導権争いはユーザー企業から見たファーストコンタクト先として起こり得るものの、競争関係として対立しているわけではない。

 また、AWS、Microsoft、Googleもハイブリッドクラウド環境に対応した製品やサービスを提供しており、こちらの方向においてもHPEやDellと適時、連携するパートナーシップを結んでいる。

 こうした構図において、「ユーザー企業から見たファーストコンタクト先、さらにはDX支援事業におけるエコシステムの要になるのはどこか」という観点での主導権争いが「真のDXプラットフォーマー」を決める重要な競争になると、筆者は見ている。

 さて、HPEは真のDXプラットフォーマーになり得るか。かつてパブリッククラウドサービスが脚光を浴び、同サービスを手掛けていないHPEの影が薄くなった時期もあった印象があるが、ハイブリッドIT環境全体の課金システムが同一化してきたことで、同社の存在感はここにきてグッと高まってきたようにも感じる。

 いずれにしても今後のDXプラットフォーム競争が一層激しくなっていくのは間違いない。それを制するキーワードは何か。やはり、徹底した「ユーザーオリエンテッド」ではないだろうか。

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