新型コロナウイルスが2020年春以降、危機的な状況をもたらし、2021年も混乱が続く中、企業は事業を継続するため、そして成長にも期待して、ITリーダーとIT部門に大きく依存するようになった。その結果、ITリーダーは従来のIT部門の役割を超え、より密接に事業の運営に関わるようになっている。
このことは、Snow Softwareが公開した最新のレポート「2022 IT Priorities Report」で明らかになった。調査は、米国、英国、ドイツ、オーストラリア、インドで、従業員数が100人を超える企業のITリーダー1000人を対象に実施したものだ。ITリーダーは、2021年も難局をうまく切り抜けたことで、さらなるリーダーが2022年も組織幹部の間で影響力を持つようになりそうだ。ITリーダーの89%は、コロナ禍以前は過小評価されていたIT部門の役割が、現在は不可欠と見なされるようになったと回答した。また90%は、テクノロジーを提供する一部門ではなく、ビジネスで信頼されるアドバイザーになったと述べている。
ITマネジャーの94%は、イノベーションが組織の最優先事項だと考えている。しかし71%が、IT部門はイノベーションではなく、問題への対応に多くの時間を費やしていると回答した。2022年におけるITリーダーの最優先事項は、新技術の導入による日常業務の改善(30%)、ITコストの削減(28%)、顧客サービスと顧客満足度の改善(28%)となっている。
コロナ危機を受け、ITリーダーは経営幹部や取締役に対して、より大きな影響力を持つようになった。ビジネスパートナーと見なされるITリーダーが増えているようだ。90%が、自身はテクノロジーのあらゆるニーズに応える立場というより、企業にとって「信頼できるアドバイザー」だと回答した。ITリーダーの83%は、組織でITリーダーとして勤めているが、むしろビジネスリーダーのような役割を果たしていると考えている。調査レポートは、「ITリーダーは、自らの役割をどうとらえるかという点で変化しており、組織もそのことを認識している」と指摘している。リーダーとしての役割が強まるなか、IT部門はより大きな責任を課せられ、92%が一層自らの投資に対して財務的責任を持つようになっている。