IBM、環境パフォーマンス管理のデータ分析ソフトベンダーEnvizi買収

Aimee Chanthadavong  (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-01-12 13:49

 IBMは米国時間1月11日、サステナビリティーやエネルギーのデータアナリティクスソフトウェアを手がけるEnviziを買収したと発表した。Enviziはオーストラリアを拠点とし、環境への取り組みを管理するためのデータやアナリティクスソフトウェアを提供している。IBMはEnviziを買収し、企業のサプライチェーンが環境に及ぼす影響を明確に把握できるよう支援する。

Envizi
提供:IBM

 買収は11日に完了した。買収条件は明らかにされていない。

 IBMは、「IBM Maximo」資産管理ソリューション、「IBM Sterling Supply Chain Suite」サプライチェーンソリューション、「IBM Environmental Intelligence Suite」、「IBM Turbonomic」と「Red Hat OpenShift」の機能群などの、IBMの人工知能(AI)を活用した広範なソフトウェアにEnviziを統合していく。Enviziのソリューションは、ESG(環境・社会・ガバナンス)のレポーティングの取り組みの一環として、タスクの管理を効率化するほか、持続可能性に関するインサイトを提供し、ビジネス戦略を強化する上で役立てられる。

 IBMのAIアプリケーション担当ゼネラルマネージャーKareem Yusuf氏は、「企業はサステナビリティーに向けた真の進歩を実現する上で、日々の意思決定をより知的で行動可能なものにするために有用となる、データを予測的な洞察に変換する能力を必要としている」と述べた。

 「Enviziのソフトウェアは、事業運営全般を通じた排出データを分析し、理解するための信頼できる唯一の情報源(SSOT)を企業に提供するとともに、企業がより持続可能な運用とサプライチェーンを生み出す上で役立てられる、IBMのAIテクノロジー一式を拡充するペースを劇的に加速させる」(Yusuf氏)

 IBMは、自社のソフトウェアを利用し、エネルギー消費を管理したり、温室効果ガス排出削減を促進したりしている。同社は2021年2月、2030年までに温室効果ガス排出量ネットゼロの達成を目指すという計画を発表した。炭素回収などのテクノロジーを利用し、温室効果ガスの排出削減に向けて可能な限りのことをしてもなお排出されるガスの量、すなわち「IBMの残存排出レベルと同等かそれ以上の量」のガス排出を2030年までに削減するという。

 EnviziはSaaSソリューションとして提供されており、マルチクラウド環境で利用できる。Qantas AirwaysやUber Technologies、MicrosoftもEnvisiのソフトウェアを導入している。Microsoftは2020年1月、2030年までにカーボンネガティブを実現する計画を発表するとともに、2050年までに同社が1975年の創業以来、直接的に、あるいは電力消費によって間接的に排出してきた、すべての二酸化炭素の環境への影響を排除したいとしていた。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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