欧州宇宙機関(ESA)は現地時間1月11日、サイバーセキュリティの旗印の下、人工衛星をハッキングするというイベントを発表し、参加を呼びかけた。
アイデアの応募は2月18日まで受け付けられている。ESAの衛星「OPS-SAT」(Operations nanoSatellite)のペイロードや、実験用のプロセッシングコアをハッキングする方法のほか、その攻撃を検出、緩和する方法についてアイデアを提出する必要がある。OPS-SATと通信できるのはわずか6分間で、ハッキングあるいはその救出のためのアイデアをデモしなければならない。
OPS-SATのミッションマネージャーDave Evans氏は、「OPS-SATは、内蔵されている堅牢性により、エシカルハッカー(高い倫理観を有した道徳的ハッカー)が安全かつ、適度に現実的な環境で自らのスキルを示すことのできる、軌道上を周回する完璧なプラットフォームになっている」とし、「これは、われわれの現在のミッション、そして将来のミッションを強化していく上で必要となる教訓を得るために特別に開発されたプラットフォームを使用して、欧州中から集まった最高のサイバーセキュリティマインドを有した人々との関わりを通じ、学びを得るというエキサイティングな機会だ」と述べている。
ESAによると、OPS-SATは、ESAの他の宇宙船より10倍性能が高いフライトコンピューターを搭載しているため、この種の実験に最適だという。
上位3チームは、4月にパリで開催されるCYSATのカンファレンスに招待され、デモを披露することになる。ESAは特に、クリエイティブで現実的なシナリオ、技術的な実現可能性、教育力などに基づいてアイデアを評価するとしている。
ESAは、このような「統制された環境」におけるハッキングという手法が、宇宙空間と地上局の双方でサイバーセキュリティを強化し、より完璧なものにする上で役立つとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。