トンガでは、現地時間1月15日に首都ヌクアロファの北西約65キロに位置するフンガ・トンガ-フンガ・ハアパイ火山が噴火したことで火山灰が30キロ上空まで舞い上がり、発生した津波は遠くアラスカまで届いた。
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今回の噴火では、トンガと国外をつなぐ海底ケーブルの通信も遮断された。
海底ケーブルを所有するTonga Cable Limited(TCL)は、「TCLのスタッフとすべてのステーションは無事(無損傷)だが、海底ケーブルはいずれも損傷した」と明らかにした。
「損傷は、国際通信ケーブルについてはヌクアロファから約37kmの地点、国内通信ケーブルについてはヌクアロファから約47kmの地点で起きている」
同社によれば、復旧に必要な情報は収集済みであり、修理地点付近で噴火が発生していることから、許可が下り次第、修理船を派遣する準備を開始するという。
南太平洋の海底ケーブル運用会社であるSouthern Cross Cableによれば、トンガの海底ケーブルは現在シングルエンド給電モードになっているという。これは、フィジー側の陸揚げ地からは電源が供給されているが、トンガ側の電源は途絶えているということだ。
Southern Cross Cableは、「トンガ側の停電が原因である可能性があったため、当初は、この問題の原因がケーブルの損傷か、電源機器の故障かを判断できなかった」と述べている。
「TCLは現在、修理の手配に関してSubCom(南太平洋のケーブル敷設船保守を担当する企業)と連絡を取り合っている」(Southern Cross Cable)
トンガとフィジーを結ぶ827kmの海底ケーブルは、Southern Cross Cableに接続されている。この海底ケーブルは、アジア開発銀行と世界銀行が共同で出資して敷設されたもので、2013年8月に運用が開始された。
トンガ国内の携帯電話通信網を運用しているDigicelは、トンガの本島であるトンガタプ島が受けた津波被害によって、同社のサービスが影響を受けていることを明らかにした。
Digicelは、「現在トンガでは、フンガ・ハアパイ島の火山噴火でTonga Cable Limitedの海底ケーブルが損傷したことが原因で、国外とのすべての通信に影響が出ている」と述べている。
「Digicel Tongaの最高経営責任者(CEO)であるAnthony Seuseuが率いるチームは、トンガ当局と連携しながら、緊急の対応を要する事態として被害の解決に当たっている。当社は衛星通信接続の入手に取り組んでおり、この接続は社会に必要不可欠なサービスや政府の限られた顧客に提供される予定になっている」
Digicelはまた、同社の国内携帯電話基地局はトンガタプ島全域で「稼働中」だとした。
トンガは、2019年に同国の海底ケーブルが2カ所で切断され、12日間にわたって通信が途絶した。その後、通信衛星事業者のKacificと通信衛星に関する15年契約を結んでいる。
NZ Heraldは、砂塵や火山灰雲の影響で同社の衛星通信サービスが断続的に停止していると報じている。また、修理船は現在パプアニューギニアにあるという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。