世界IT支出は2022年、前年比で5.1%増加し、4兆5000億ドル(約500兆円)に達する見通しだ。Gartnerが米国時間1月18日、新たな予想を発表した。オミクロン株が影響する可能性がある中、デジタル市場の好況への高い期待とともに、経済回復がテクノロジーへの投資を今後も後押しするとGartnerは指摘している。
Gartnerは、2022年にITサービスへの世界的な支出が増加するとして詳しく説明している。クラウド市場を含むエンタープライズソフトウェア分野の成長が最も高く、11%増となる見通しだとGartnerは予想している。また、コンサルティングやマネージドサービスを含むITサービス分野の支出は、前年比7.9%増の1兆2800億ドル(約150兆円)に達するとしている。
GartnerのディスティングイッシュトリサーチバイスプレジデントJohn-David Lovelock氏は、「2022年は最高情報責任者(CIO)にとって未来が戻る」年だし、「CIOは、この2年間の重要な短期的なプロジェクトの先へ進み、長期的にフォーカスする状態になっている。同時に、スタッフのスキルギャップ、賃金の高騰、人材獲得競争などから、CIOはますますコンサルティングやマネージドサービス企業を利用し、デジタル戦略を追及するようになる」と述べている。また、同氏によると、大規模な組織の多くは今後数年、外部のコンサルタントを活用し、クラウド戦略を構築するようになるとGartnerは予想している。
同氏は米ZDNetに対し、「2021年は、2020年に実施されたほとんどのことを、少しずつ最適化しながら改善し、安定させる年だった」と述べた。「しかし今、企業は前に進んでいる。われわれはどのような状況にあったか、パンデミック下で何がうまくいったかを分かっている。今後目指すべきところも分かるだろう」と述べた。
こうした最適化と未来志向の考え方は、特にエンタープライズアプリケーションソフトウェア市場におけるクラウドへのさらなる投資につながるだろう。クラウド市場は2025年までに、非クラウド市場の2倍の規模になるとGartnerは予想している。エンタープライズソフトウェア分野の支出は11%増加すると予想されているが、さまざまな業界の組織がソフトウェアスタックをSaaSへとアップグレードし、ワークフォースの柔軟性を向上させることに重点を置いている中、クラウドはその支出増に寄与するとみられる。
Lovelock氏は、「最高情報責任者(CIO)と最高経営責任者(CEO)は、インフレ、成長、人材の不足、優秀な人材を巡る競争など、さまざまなことを考えている」とし、「これらの問題の1つ以上を解決するアプリケーションは、より大きく普及し始めるだろう」と述べている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。