NTT Com、エッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」を提供--月額定額で利用できる運用一体型

渡邉利和

2022-01-19 11:50

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月18日、、データ活用に必要な機能を一括して利用できる基盤「Smart Data Platform」(SDPF)で、運用管理まで行う月額定額制のエッジコンピューティングサービス「SDPF Edge」の提供を開始すると発表した。

 なお、NTT Comは2021年10月に発表された通り、2022年初からNTTドコモの子会社となっており、同時に子会社化されたNTTコムウェアとともに新ドコモグループで法人事業を担当、新たに「ドコモビジネス」を法人事業ブランドとしてサービス提供する。

 まず、この事業統合に言及した同社 経営企画部 広報室 室長の宮川龍太郎氏は「今回の再編成の目玉の一つは法人事業の機能統合になる。法人事業ブランド『ドコモビジネス』を新たに展開、NTT Comに法人事業を統合し、経営資源を集中していく」と説明。「大企業から中小企業まで全ての顧客にワンストップで対応し、社会/産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をこれまで以上に推進していく」とした。

新たに展開される「ドコモビジネス」のロゴ
新たに展開される「ドコモビジネス」のロゴ

 続いて、同社 5G・IoTタスクフォース タスクフォース長の吉宮秀幸氏がNTT ComのIoT戦略を説明した。同社では「あらゆるものをつなぎ直す」という意味を込めて「Re-connect X」をビジョンに掲げている。同氏は「『つなぐ』という価値を新たに見直して、お客さまと共創して安心・安全でセキュアな通信環境、IoT環境を作っていく」というのがコンセプトだと話す。さらに、SDPFについては「お客さまの事業創造やDX推進に向けて情報通信技術を活用して社会課題を解決する『Smart World』の実現を目指している」とした。

 その鍵となるのがデータの利用/活用やIoTの実現で、それらを実現するための基盤としてSDPFを提供していると宮川氏は説明した。新たに発表された「SDPF Edge」はSDPFの新機能/新サービスに位置付けられ、ソリューションの全体像に関しては「データを収集してくる各種ネットワーク商材(『Arcstar Universal One』や『IoT Connect Mobile Type S』など)を通じて収集したデータをマルチクラウド環境で利用するために『Flexible InterConnect』を介してさまざまなパブリッククラウドやSDPFのクラウド/サーバーなどデータマネジメント商材群が接続される」(同氏)

 「トラフィックの収集/蓄積/分析などをセキュアかつオールインワンでつなぐのがNTT ComのIoTソリューションの特徴」(宮川氏)。また、IoT分野でもデータの大容量化やロボット制御などでのリアルタイム処理のニーズの高まりといったトレンドから分散コンピューティング/エッジコンピューティングが不可欠になってきたことが、サービス提供の背景にあるとした上で、「分散コンピューティングのコンピューターを提供するだけではなく、ネットワークを含めてエンドツーエンドで一括管理してワンストップで価値を提供することが重要」(同氏)だとした。

NTT ComのIoTソリューションの全体イメージ
NTT ComのIoTソリューションの全体イメージ

 最後に、同社 データプラットフォームサービス部 担当課長の竹中康博氏がSDPF Edgeのサービス概要を説明した。同氏はまず、クラウド移行のトレンドから多くのシステムがクラウド化されてオンプレミスの課題が解決されたことを指摘。エッジコンピューティングを活用するためにハードウェアをオンプレミスに設置する一方、かつて課題とされていた「初期導入時の負担」「運用時の課題」「トラブル時のサポート体制」といった点を解決する形でサービスが提供されると強調した。

 なお、サービスの基本的な位置付けは、SDPFにおけるデータ収集基盤であり、これまでデバイスのセンサーやカメラなどからWAN経由でデータ収集・制御していたものをオンプレミスで実施することにより、マネージドIoTのサービス強化に寄与するという。仮想化基盤を構築済のサーバーをユーザーサイトに設置し、設定作業や保守運用も月額定額で提供する。クラウド上のSDPF Edgeコントローラーからリモート管理が可能で、初期投資や資産管理は不要となる。

SDPF Edgeの概要
SDPF Edgeの概要
SDPF Edgeの特徴
SDPF Edgeの特徴

 例えば、人工知能(AI)を活用した機器制御などで、大量データを活用したモデル学習はクラウド側で実行し、学習済のモデルをエッジで実行することでリアルタイム性を実現したり、あるいは監視カメラなどの画像の判定をエッジで行い、異常と判定されたデータのみクラウドに転送することでデータ転送を最適化したりする使い方が紹介された。

 提供価格は、CPU数やメモリー/ストレージの容量に応じて3つのプランが用意される。プラン1はラックマウントで32コア、128GBメモリー、3.84TB SSDで月額13万5960円(税込、以下同)、プラン2はラックマウントで16コア、64GBメモリー、0.96TB SSDで月額9万3610円、プラン3はボックスサーバーで8コア、32GBメモリー、1TB HDDで月額5万2470円となる。

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