NTT東日本は2月15日、顧客が保有するカメラの映像を人工知能(AI)で解析する「映像AIサービス」を中心とした「デジタルトランスフォーメーション(DX)ソリューション」を2月28日から提供すると発表した。同社は、今回のDXソリューションを地域活性化推進の「REIWAプロジェクト」の一環に位置付けている。
近年、労働力人口の減少による人手不足やコロナ禍の影響により、多くの企業はITを活用した業務効率化や生産性向上の必要性を認識しており、NTT東日本は顧客やパートナー企業から、現場のDXについて多くの相談を受けているという。その中で、映像解析は特に注目されており、最近ではAIの発展によりさまざまな場面で活用されている。
こうした背景を踏まえて同社は、顧客のDX推進に向けて、映像AIサービスを活用し、データの可視化、AIを用いた詳細な分析、具体的なアクションプランの策定、顧客の運用定着を一貫して支援する。
映像AIサービスでは、顧客が設置しているネットワークカメラで施設や飲食店、小売店などの状況を撮影。撮影データは同社の閉域ネットワークを通して安全に伝送されるといい、同社が通信ビルに設置するGPUのサーバー上のAIで映像データを解析する。
同サービスには「人流計測AI」と「接客支援AI」があり、人流計測AIでは施設や店舗への来店者数のカウントや来店者の属性分析などを行う。接客支援AIでは、万引き防止サービス「AIガードマン」の機能を拡充し、来店者の行動から万引き、または購買の予兆を検知して従業員のスマートフォンアプリに通知する。解析結果は顧客の専用画面に表示され、CSV形式ファイルでの出力にも対応しているため、時間や場所を問わずに確認することができる。
同社は、通信ビル内にAI基盤を構築し、「リアルタイムなデータ解析」というオンプレミス型のメリットと「導入や運用が容易」というクラウド型のメリットを両立させることで、顧客の環境に物理的なサーバーが必要なくなり、利用したいサービスを安価かつ簡易的に使えるという。
同社は映像AIサービスのほか、グループ各社と連携しながら、課題抽出からデータ取得による可視化、分析・運用支援まで、DXのさまざまなフェーズに対応したDXメニューを提供する。