日立製作所(日立)は、ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi」について可用性を向上する強化を実施し、As a Service型で提供を開始した。日立グループとAmazon Web Services(AWS)との協創により、日立のストレージとクラウドとの透過的なデータ管理・運用を可能にするとともに、接続の二重化により可用性を向上させている。
またEverFlex from Hitachiの日立従量課金型データ基盤ソリューションにおいて、ハイブリッドクラウド環境の可用性を向上するとともに、より大量なデータの利活用に向けてデータ基盤の性能とストレージ記憶媒体の容量効率を向上させた。
今回、高い拡張性と可用性を備えたデータ基盤の導入を容易にする「Hitachi Virtual Storage Software(VSS)スタートパック」、データ基盤の故障予兆を監視する「高度予防保守」と処理性能の向上とデータの効率的な保管を両立させた新ミッドレンジストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)E1090」の提供も開始する。
さらに、環境配慮における取り組みも強化し、顧客の脱炭素化の取り組みを支援のため、専用ポータルを用いてCO2排出量を可視化する。
EverFlex from Hitachiにおける今回の強化ポイント
ハイブリッドクラウド環境の可用性向上では、ストレージ仮想化技術のクラウド展開で実現した。「Amazon S3」とのデータ管理・運用において単一障害点となる懸念があった、Amazon S3への接続を二重化した。Amazon S3に格納したデータは、バックアップ用途に加え、「Amazon EC2」からも利用することもできるため、クラウドサービスの選択肢がより広がり、データ利活用の柔軟性が高まる。
VSSスタートパックは、増加しつづける企業データの処理に対応できる高い拡張性と可用性を備えた日立ソフトウェアデファインドストレージ「Hitachi Virtual Storage Software Block(VSS Block)」の導入に必要なハードウェア、ソフトウェア、およびサービスをパッケージ化したもの。これにより、導入に伴う機器選定や要件定義を最小限にし、利用開始までの期間を短縮できる。VSS Blockは、利用開始後も必要に応じて容量や性能を柔軟に拡張可能だ。
データ基盤の可用性向上では、高度予防保守を提供する。顧客のデータ基盤の稼動状況をリアルタイムにリモート監視するとともに、日立が長年培ってきたハードウェア製品開発のノウハウに基づき、高精度な故障予兆検知を実行する。これにより、データ基盤の故障を事前に察知し、メンテナンスを適切なタイミングで提案することで、データ基盤の可用性の向上に貢献する。
VSP E1090は、大量データの処理性能向上と効率的な保管を両立する。日立独自の高速な重複排除・圧縮技術で、圧縮時の処理性能を従来機に比べ約39%向上した。また、同技術でストレージ記憶媒体の容量効率も高めることで消費電力を約53%低減する。
CO2排出量の可視化による環境配慮への取り組み強化では、ハイブリッドクラウド環境のデータ基盤におけるデータ送受信時などに排出されるCO2排出量を可視化し、経時変化や一定期間の累積排出量をユーザーの専用ポータルで確認することを可能にした。
強化された日立従量課金型データ基盤ソリューションおよびVSSスタートパック、高度予防保守、VSP E1090の提供価格は個別見積もり。