サイトコア、メールマーケティングを支援する新ツール--消費者を購読者に

大場みのり (編集部)

2022-03-10 17:29

 デジタルエクスペリエンス管理ソフトウェアを提供するSitecoreの日本法人サイトコアは3月10日、国内市場向けにEメールマーケティングを支援するツール「Sitecore Send」を提供開始すると発表した。

 Sitecore Sendは、同社が2021年5月に買収した英企業Moosendの技術を基盤としている。同ツールは、顧客のニーズに合わせて単体、あるいはコンポーザブルデジタルエクスペリエンスプラットフォーム(DXP)上で、顧客データ基盤(CDP)、パーソナライゼーション/コマースソリューションと組み合わせて導入することが可能。

 総務省公表の「令和3年版 情報通信白書」によると、全年代を対象とした主なコミュニケーション手段に関する調査結果において、平日のメールの「平均利用時間」と「行為者率(該当期間に特定の情報行動を行った人の比率)」がともにSNSを上回り、トップであることが明らかになったという。

 このことから、メールマーケティングは依然として有効な手段であるといえる。一方、メールの活用は自社が導入しているマーケティング基盤に搭載されているメール配信機能を利用するのみなど、メールを通じた顧客行動の把握や継続的なエンゲージメントに取り組んでいる企業は多くない。

 Sitecore Sendにより企業は、HTMLメールの作成のほか、マーケティングオートメーションやユーザー行動の分析が可能となる。Software as a Service(SaaS)ベースのため、導入後すぐに利用できる。想定される顧客には、より整然としたHTMLメールを作成したい企業、マーケティングオートメーションをこれから実施したい企業、レポートを活用してユーザーとのコミュニケーションを改善したい企業などがある。

 同ツールのマーケティングオートメーション機能は、コンバージョン率を向上させ、購読者数・販売機会の増加や顧客満足度の向上が期待されるという。顧客はドラッグ&ドロップで直感的にワークフローを作成できる(図1)。テンプレートとして18パターンのシナリオが用意されており、独自のシナリオを作成・登録することもできる。

図1:ワークフローの作成画面
図1:ワークフローの作成画面

 また、電子商取引(EC)向けソリューション「Sitecore OrderCloud」、または自社が持っているEC基盤と接続することで、消費者の行動を追跡できる。例えば、商品をカートに追加後、一定の時間が経っても注文していない場合、自動でメールを送信する。顧客は、メールの送信による売り上げを把握することもできる。

 メールの配信レポートでは、配信数、開封/クリック/購読解除率、地域やデバイスごとの比率などが分かる(図2)。リンクごとのクリック数やマウスオーバーの数もヒートマップとして表示される。

図2:メールの配信レポート画面
図2:メールの配信レポート画面

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2025年はクラウドを標的にする攻撃が増加!?調査レポートに見る、今後警戒すべき攻撃トレンド

  2. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  3. ビジネスアプリケーション

    業務マニュアル作成の課題を一気に解決へ─AIが実現する確認と修正だけで完了する新たなアプローチ

  4. 経営

    プロが教える“使える業務マニュアル”--作成・運用を実現する3つのポイント

  5. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]