ENEOSの根岸製油所は、人工知能(AI)を搭載したチャットボット「KUZEN」を導入し、社内の問い合わせ対応を自動化させた。サービスを提供するコンシェルジュが発表した。
KUZENは、ノーコードでAIチャットボットを構築するプラットフォーム。サービスで使用するデータを一元管理し、独自のデータベースを使用することで、ユーザーに合わせた情報を検索し、適切なレコメンデーションを表示できるという。日本語で作成したシナリオを100カ国以上の言語に翻訳することも可能。
業務自動化の概要。ロボティックプロセスオートメーション(RPA)とKUZENを連携させ、社内申請業務の一部を自動化した結果、毎月70〜160分の作業時間を削減した
ENEOSは2020年12月に根岸製油所内のポータルサイトにKUZENを実装し、情報システムの利用方法に関する問い合わせ対応の自動化を開始した。その結果、問い合わせに対応する人的負荷は開始前と比較して3分の1程度まで減少した。
申請手続きの自動化では、従来、社内システム上のフォルダーからダウンロードした申請書に必要事項を記載して担当部署にメールなどで依頼していた。これを、社内システム上にあるKUZENのチャットボットを起動し、申請書に記載が必要な項目をチャット上で入力するだけで、申請が完了する流れに変更した。これによって、1件当たり10分程度かかっていた申請作業の時間が 2~3分程度に短縮された。同所では、情報システムの導入・運用・保守などの業務6人で担当していたが、社員からの問い合わせに対応する業務の負荷が大きく、本来業務の進行に支障が出ていた。また社内ポータルサイトにFAQ(よくある質問と回答)を掲載していたが、回答にたどりつけない従業員が多く、問い合わせ件数は減らない課題があったという。
チャットボット利用画面