東京都教育委員会は全都立学校(高校・中等教育学校・附属小中学校・特別支援学校)を対象に、2022年4月からクリエイティブツール「Adobe Creative Cloud Express」を導入する。同ツールを展開するアドビが3月24日に発表した。これにより、都立学校の生徒児童約16万人と教職員約2万人が学校や自宅のデバイスで同ツールを活用できるようになる。
ITを活用できる人材が求められる中、学校教育のデジタル化の拡充は重要度を増している。小中学校では「GIGAスクール構想」のもとデジタルを活用した学習が実施される一方、高校生の学びに適したデジタル環境の検討と準備が喫緊の課題となっているという。
そこで東京都教育委員会では、デジタルを活用して物事を表現し、コミュニケーションを取る力を身に付けられる学習環境充実策の一つとして、小中高校向けに全世界で無償提供されているCreative Cloud Expressの採用を決定した。また、都立学校全校が教育機関向けの統合型クラウドサービス「Microsoft 365 for Education」を導入しており、アドビのCreative Cloud製品がシングルサインオンでスムーズに利用できることも評価された。
Creative Cloud ExpressはGIGAスクール構想に対応しており、既に全国の小中学校の4人に1人以上が同ツールを利用できる環境で学んでいる。テンプレートを活用したグラフィック作成、コーディング不要のウェブページ制作、簡単に音楽やナレーションが付けられる動画作成の機能などがあり、学習のまとめやプレゼンテーションといったアウトプットの学習に向いている。米国の児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)準拠しているほか、画像や動画のセーフサーチ機能などもあり、安全性にも配慮しているという。