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グーグル・クラウド、2022年の事業方針を発表--目指すはDX推進のプラットフォーム

國谷武史 (編集部)

2022-04-07 06:00

 グーグル・クラウド・ジャパンは4月6日、2022年の事業方針説明会を開催した。日本代表の平手智行氏は、「データ」「オープン」「トラスト」「コラボレーション」をクラウドのキーワードに掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進のプラットフォームを目指すと表明した。

グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表の平手智行氏
グーグル・クラウド・ジャパン 日本代表の平手智行氏

 説明会の冒頭で平手氏は、まず2021年の事業動向を振り返り、2020~2021年にグローバルでの案件総量が80%以上増えたことや、2000以上もの製品および機能のリリース、アップデートを実施したことなどを報告した。市場では、引き続き企業のクラウド導入が進んでいるが、現状ではまだオンプレミスからの移行によるIT利用の効率化いったテーマが中心であり、企業全体のビジネスを変革するフェーズへと引き上げていくことが重要だとした。

 同氏は、グーグル・クラウドを「トランスフォーメーション」と位置付け、クラウドが顧客企業のDXを推進するプラットフォームであり、グーグルのさまざまなサービスを組み合わせる“トータル・アプローチ”によって顧客を支援していると説明した。

 2022年は、2021年に引き続きデータと人工知能(AI)の活用によるDXの推進と、二酸化炭素の排出削減による地球温暖化の防止といったSDGs(持続可能な開発目標)を重要テーマに位置付ける。また顧客動向として、グーグル・クラウドと競合のクラウドサービスを組み合わせて利用するマルチクラウドの問い合わせが増えているとし、パートナー向け施策などにおいて対応を強化していくとした。

データとAIを活用するサービスのイメージ
データとAIを活用するサービスのイメージ

 平手氏は、掲げた4つのテーマについて個々にも説明した。データクラウドは同社ユーザーも主要な利用目的であり、ビッグデータの収集・蓄積からAIによる分析と洞察の獲得、洞察のビジネスへの反映までを実現できるとする。ここでは事例として、コカ・コーラボトラーズジャパンの取り組みを紹介。全国にある約70万台の自動販売機のデータをグーグル・クラウドに集約して分析し、自動販売機の最適な配置や販売トレンドの把握などに役立てているという。

 2つ目のオープンクラウドは、コンテナーやサーバーレスなどのテクノロジーを活用したオープンなクラウドインフラストラクチャーがDXの実現、推進に不可欠だとする。この部分で数多くのサービスや機能を提供するが、特にマルチクラウド環境でのワークロードを管理する「Anthos」の導入が進んでいるとした。ここでは事例として、NTTドコモが2021年11月にリニューアルした無料情報サービスアプリ「マイマガジン」での採用を紹介している。

 3つ目のトラステッドクラウドは、高い安全性と信頼性をクラウドサービスが顧客から強く要求されており、同社として5年間で1兆円規模の投資を実行中とした。ゼロトラストモデルのセキュリティサービス「BeyondCorp」などに加え、独自設計するチップレベルからセキュリティ機能を実装していることで、顧客の信頼に応えてきたと説明する。またネットワークインフラの増強にも継続的に投資しており、日本と米州を結ぶ新たな海底ケーブル「Topaz」(カナダ・バンクーバーと茨城県および三重県間)の建設を発表した。

日米州間の新たな海底ケーブルを2023年に増設する
日米州間の新たな海底ケーブルを2023年に増設する

 4つの目のコラボレーションクラウドは、「Google Workspaces」を中核とするコミュニケーション、コラボレーションのサービスであり、平手氏は「人」を中心として協働型の働き方を実践することがDXの推進に必要だと述べる。

 また、SDGsに関して同社では2017年に二酸化炭素の排出量が実質ゼロの「カーボンニュートラル」を達成。2030年までに全てのデータセンターの電源について二酸化炭素を排出しないエネルギーを用いる「カーボンフリー」の実現に取り組んでいると説明した。顧客向けには、二酸化炭素の排出状況を可視化するサービスを提供している。

二酸化炭素排出の可視化サービス
二酸化炭素排出の可視化サービス

 パートナーやユーザー向けの施策については、上級執行役員 パートナー事業本部の石積尚幸氏が説明。同氏は、2021年のトピックとして、ふくおかフィナンシャルグループのみんなの銀行における勘定系システムの採用を挙げ、パブリッククラウドが銀行のミッションクリティカルシステムとして利用される好例になったとした。

グーグル・クラウド・ジャパン 上級執行役員 パートナー事業本部の石積尚幸氏
グーグル・クラウド・ジャパン 上級執行役員 パートナー事業本部の石積尚幸氏

 2022年は、パートナーによる顧客への提案で、こうしたミッションクリティカル領域でのクラウド導入が増えることを期待していると述べる。また近年は、競合のクラウドを主力としているクラウドインテグレーター各社が相次いでGoogle Cloudを中心に事業を展開する子会社やグループ会社を立ち上げており、石積氏は、他社クラウドとGoogle Cloudを組み合わせて利用したいとする顧客のマルチクラウド需要の拡大に応えたいとした。

 パートナー施策では、クラウドインテグレーター向けにはエンジニアリング支援や業界特化型ソリューションの拡充などを進めるほか、国内ソフトウェアベンダー向けにはGoogle Cloudのマーケットプレイスにおける事業展開の支援、販売代理店向けにはインセンティブの拡充やトレーニング、販売ツールの提供強化を図る。

 開発者やスタートアップ企業の支援にも引き続き取り組むとし、スタートアップ企業支援プログラムでは2年間で最大20万ドル相当のクレジット提供などを打ち出す。ユーザーおよびパートナーコミュニティーの「Jaguer」も発足から1年4カ月で229社937人の参加規模となり、各種業界でのレファレンスの作成・提供などの取り組みが活発になっているとした。開発者やエンジニア向けの各種プログラムも継続的に強化していくという。

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