音楽事業などを展開するエイベックス・エンタテインメントはクラウド契約業務サービス「Contract One」を新たに導入した。提供元のSansanが4月7日に発表した。押印代行機能を活用することで、紙の契約業務をオンラインで完結するという。
エイベックス・エンタテインメントは、音楽の制作・販売、ライブやイベントの企画・制作・マーチャンダイジングなど、幅広い音楽事業を展開。事業が多岐にわたることから、個人から企業までさまざまな関係者と契約を締結しており、年間を通して膨大な件数の契約業務を行っているという。
同社は電子契約サービスを既に導入しているものの、取引先の事情などで紙の契約書を完全になくすことが難しく、一定数はまだ紙で締結されており、製本や押印といったアナログな業務が残っているという。法務・契約担当者が交代でこれらの業務を担っており、担当者のリソースが割かれているほか、テレワークを推進しているコロナ禍でも出社を余儀なくされていた。
さらにエイベックス・エンタテインメントでは、紙で締結する契約書のPDF化および倉庫保管を外部に委託しており、PDF化されたデータが納品されるまでに時間がかかっていた。そのため、データ化期間中に監査などでデータが必要となった場合、担当者が委託会社に問い合わせをする必要があり、対応に時間がかかることが課題となっていた。
エイベックス・エンタテインメントは、事業継続の観点で重要な契約業務において、これらの課題をリスクと捉え、紙の契約書に関する業務効率化と共にリスク管理を実現するサービスの導入を検討し、Contract Oneの導入に至った。
Contract Oneの「スマート判子」機能は、ユーザー企業の印鑑(印章)を預かることで、紙の契約書に関わる製本から押印、郵送などのアナログな作業を代行する。ユーザー企業がContract One上で契約書を確認し押印指示をすると、Contract Oneが契約書に押印し、取引先に郵送する。これによりエイベックス・エンタテインメントは、紙の契約業務をオンラインで完結できるようになる。担当者の業務効率化と同時に、テレワーク可能な体制を整備することで、出社が難しい環境になっても契約業務を停滞させることなく事業継続が可能となる。
また、Contract Oneは、紙の契約書を代理で受領し、正確にデータ化してクラウド上に保管する。どのようなフォーマットの契約書でも速やかにデータ化することが可能なため、エイベックス・エンタテインメントは、締結後の契約書確認に要していた時間を大幅に削減できる。監査などで、緊急に契約書の確認が必要になった場合でも、迅速に対応できるようになる。
エイベックス・エンタテインメントは、どうしてもなくせなかった、紙の契約書への押印といったアナログな業務をContract Oneで代行することにより、担当者のリソースを効果的に活用するとともに、どのような環境下でも契約業務を継続できる体制の構築を目指すとしている。
同社は、さらなる契約業務の効率化およびリスク管理を推進するため、エイベックス・グループ全体での横断的な活用も検討しているという。