MODEは、1月からJR東日本およびJR東日本スタートアップと共同で行っていたJR浜松町駅における夜間工事のデジタルツイン化に向けた実証実験が完了したと発表した。
この実証は、JR浜松町駅における夜間改良工事で従来に全体把握が困難な鉄道工事をデジタルツイン化し、鉄道工事現場におけるデータ活用について検証を行っている。JR東日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォームの構築と実運用を想定した検証を行い、これに伴うデジタルツインのプロトタイピングを実施した。
デジタルツインによる検証イメージ
実証で活用された機器類など
具体的な実証方法は以下の通り。
- 工事関係者、軌陸車のリアルタイム位置情報把握(準天頂衛星対応GPSトラッカー使用)
- 工事関係者の活動状況、バイタル相関分析(活動量計測シューズセンサ、超小型温度計測パッチセンサ使用)
- 鉄道工事中で使用する保安機器の状況把握(準天頂衛星対応GPSトラッカー使用)
実証できた主な結果として4つが挙げられている。
まず作業時間の4時間で1万4000歩/人以上の活動量を確認できた。特に安全確認の注意力が特に必要な撤収作業時間帯に歩数が多くなっており、体力的にも負荷がかかりやすい時間帯であることが分かった。
また実証期間の約2カ月で、59項目の知見、12項目の課題を取得し、次のステップでの取り組みが明確になった。さらにアンケート結果から、80%の作業者が負担にならないと回答し、現場に負担のかからないセンシングを検証できた。加えて、工事関係者、軌陸車の位置をリアルタイムに把握することができた。
鉄道建設工事は、終電から始発までのわずかな時間で作業を行う場合も多い。このため、現場によっては軌陸車10数台、作業員100人以上が短時間で集中的に作業を行うこともある。また、営業線に近接した現場での作業になるため、夜間、昼夜問わず列車の安定輸送、市民や作業員の安全管理は最重要課題となっている。
しかし、現在は現場で人力に頼った安全管理を行っており、安全性を確保しつつ管理コストを下げたいという課題に対し、位置情報のリアルタイム把握が必要不可欠となっている。