調査

出社率低下も、76.3%の企業でインターネットトラフィックが増加--IDC

大場みのり (編集部)

2022-05-10 07:00

 IDC Japanは5月9日、国内企業900社を対象に実施した「2022年 企業ネットワークサービス利用動向調査」におけるWAN(Wide Area Network)に関する調査結果を発表した。同調査では、企業におけるWANサービス、インターネット、SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)、外部データセンター/クラウドの利用実態などについて記している。

 これによると、コロナ禍でWAN帯域の拡大/増加を実施・検討している企業の割合が、縮小/削減する企業の割合より高かったという。既に拡大/増加済み、または拡大/増加の予定がある企業の割合は合計で45.4%で、縮小/削減済み、または縮小/削減予定の企業を上回っている(図1)。

 WANサービスの利用では、拠点数が多く通信品質を重視する大企業は閉域ギャランティー型(帯域確保型)好む傾向にあると分かった。閉域ギャランティー型のレイヤー2やレイヤー3(多拠点間の網型接続)のサービスは大企業ほど利用が多く、従業員数1000人以上の企業では最も使われているという。

 多くの企業でインターネットトラフィックが増加傾向にあることも分かった。インターネットトラフィックが増加した企業は76.3%で、2020年7月調査から23.7ポイントも増加している。

 コミュニケーションズ リサーチマネージャーの山下頼行氏は「企業のWAN帯域に対するコロナ禍の影響は、出社率の低下に伴う拠点のトラフィック減少よりも、ウェブ会議などによるインターネットトラフィック増加の影響が強く出ている。通信事業者は、増大するトラフィックに対してコストを抑えながら対処できる策を準備すべきである。閉域ギャランティー型WANを好む傾向がある大企業に対しても、ベストエフォート型WANの積極的な活用や、ローカルブレイクアウトによるインターネットトラフィックのオフロードを提案することも一つの方策だ」と述べる。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

  2. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  3. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  4. セキュリティ

    「iPhone」の業務活用を促進!セキュリティ対策で必ず押さえておきたいポイントとは?

  5. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]