大日本印刷(DNP)は、オンプレミス環境にある販売管理、購買管理、人事、給与、在庫、原価、会計、経理業務などミッションクリティカルな大規模基幹システムの移行先にパブリッククラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用した。移行は11月に完了の予定。日本オラクルが5月10日に発表した。
DNPは現在、VMware環境にある700以上の仮想サーバーで稼動するアプリケーションをOCIの「Oracle Cloud VMware Solution」へ移行し、オンプレミス環境と同じアーキテクチャーや管理性を維持しながら、拡張性や経済性の向上を図る。
また、統合データベース基盤を「Oracle Exadata Cloud Service」に移行し、オンプレミス環境より高い性能、可用性、データセキュリティ構成を実現しながら、コスト最適化を図る。さらに、東京と大阪の各リージョンを活用した災害復旧(DR)構成を構築することで、より低コストで基幹システムに不可欠な高いレベルの可用性とデータ保護を実現し、事業継続性を強化していく。
DNPでは、「Oracle Cloud Lift Services」のフィジビリティースタディーと概念実証(PoC)の支援により、移行の課題や懸念を整理・解消し、Oracle Cloud VMware SolutionやOracle Exadata Cloud Serviceなどのスキルを習得した。また日本オラクルのコンサルティングサービス部門と緊密に連携し、本番環境の構築に取り組んでおり、現在はOracle Cloud VMware SolutionとOracle Exadata Cloud Serviceへの移行を段階的に開始している。
DNPでは、基幹業務システムの多くが「Oracle Database」上で稼動していることから、レガシーモダナイゼーションの第1ステップとして今回の移行を決定した。これによりITコストの最適化、セキュリティ、事業継続性の強化に加え、運用効率を向上させることができ、ITリソースを攻めのITにシフトさせることを見込んでいる。