グーグル、「Android Studio」「Jetpack Compose」など開発ツールの改善を発表

Jason Cipriani (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-05-13 10:21

 Googleの年次開発者会議が開幕した。同社はそこで新しい「Pixel」ハードウェア、「Android 13」を含むさまざまなソフトウェア製品のアップデート、そして、もちろん開発者ツールも発表した。

提供:Jason Cipriani/ZDNet
提供:Jason Cipriani/ZDNet

 「Google I/O 2022」の冒頭の基調講演では、「Android Studio」「Jetpack Compose」「Android」タブレット向けのアプリ開発、「Wear OS」の改善、「Google Play」、新しい「Health Connect」プラットフォームなど、いくつかの改善と新機能が発表された。

 本記事では、Google I/O 2022で発表された新しい開発者ツール群について、簡単に解説する。

Android Studioでライブ編集が可能に

 開発者がAndroidアプリの作成に使用するソフトウェアスイートおよびツールであるAndroid Studioには、2つの新しいリリースがある。「Android Studio Dolphin Beta」と「Android Studio Electric Eel Canary」は、独創的な名前を持つだけでなく、それぞれ独自の新機能も備える2つの異なるビルドだ。

 Googleによると、Dolphin Betaリリースでは、開発者は以下の新機能にアクセスできるようになるという。

  • 「Animation Preview」でComposeのアニメーションを確認して調整する。
  • 複数のComposeプレビューを簡単に取り込んで適用できるように、アノテーションクラスを定義する。
  • 同時に複数の定義を行う。
  • 「Layout Inspector」でコンポーザブルの再コンポジションの回数を追跡する。
  • Wear OSエミュレーターを簡単にペアリングして制御し、タイルや文字盤、コンプリケーションをAndroid Studioから直接起動する。
  • 「Logcat V2」を使用して、アプリの問題をより迅速に診断する。

 しかし、Android StudioのCanaryビルドでは、開発者は、エミュレーターと物理デバイスの両方において、Compose Previewでの実行中アプリのコード変更をすぐに反映する新しい「Live Edit」機能を先行的に体験することができる。Canaryのそのほかの変更点には、依存関係についての洞察を提供する新しい「Google Play SDK Index」、Android Studioの「Firebase Crashlytics」、サイズ変更可能な「Android Emulator」が含まれる。

 Googleは、Android Studioのすべての新機能について、リリースやより安定したビルドへの移行を実施する前に、開発者からのフィードバックを集めたいと考えている。

「Android Jetpack」の開発者向けツールが拡充

 Android Jetpackは、開発者がアプリの改善のために使用するツールとAPIのリソースだ。「Jetpack Compose Beta 1.2」には、開発者がアプリ内で使用できる新しいAPIとツールがいくつか含まれている。新しいAPIには、アプリのパフォーマンス(例えば、フレーム落ち)を分析するための「JankStats」などがある。ダウンロード可能なフォント用の新しいAPI、ドラッグ&ドロップによるアプリ間でのデータ共有、アプリのベンチマークツールの強化も含まれる。

 ベータ版で利用可能なJetpack Composeの新バージョンもある。このバージョンは、GoogleのAndroid Wear OSプラットフォーム(発表されたばかりの「Pixel Watch」も含む)向けアプリの開発を支援することを目的としている。

ほかにも多くの改善点

 Googleは、JetpackとAndroid Studio以外にも新しいツールとイニシアチブを発表した。例えば、サムスンとGoogleのパートナーシップの下で構築された新しいHealth Connectプラットフォームは、ユーザーの健康データにアクセスすることを可能にする。

 「Android TV」OSに加えて、「Android for Cars」にも新機能が追加される予定だが、期待をそそる情報を小出しにしたことを別にすれば、Googleは、米国時間5月12日の各OSの開発者セッションで詳細を明らかにすると話すにとどめた。現時点で判明しているのは、2022年中に、新しいAPIにより、Android for CarsやWear OSアプリで「Google Assistant」をこれまでよりも簡単に利用できるようになるということだ。

 Google Playのアップデートに関しては、Google Play SDK Index、広告主がユーザーのプライバシーを尊重しながら広告を表示できるようにする「Privacy Sandbox on Android」、さまざまなチケットやカードを直接登録したり、分類したりできる「Google Wallet API」(以前の「Google Pay Passes API」)などがある。

 もちろん、Android 13はGoogle I/Oで重要な位置を占めており、開発者が統合できる新しいAPIやツールを多数備えている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  3. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  4. 開発

    「スピード感のある価値提供」と「高品質な製品」を両立させるテスト会社の使い方

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]