花王は、「SAP Central Finance」「SAP Analytics Cloud」を活用し、グローバルの管理会計情報を可視化した。これによりセルフサービスBIによるタイムリーな意思決定が可能になったという。SAPジャパンが発表した。
花王は現在、経営層や各事業部の部長、会計財務部門の管理会計担当など約250人がSAP Analytics Cloudを利用。グローバル全体での最新データを取り込み、財務状況やセグメント別の売上状況などを随時可視化して、具体的なアクションにつなげている。
プロジェクトは会計財務部門主導のもとIT部門と緊密に連携し、アビームコンサルティングがSAP Analytics Cloudの導入とデータの可視化、ビジネス分析(BI)のセルフサービス化を支援した。データを可視化する工数も約90%削減され、その分の時間を別の業務に割くことができるようになった。セルフサービスBIの浸透で会計財務担当者の当事者意識も高まり、全体の底上げを実現している。
同社の会計財務部門では、2000年代初頭からSAP ERPを利用し、現在ではグローバルで約98%のグループ企業が利用している。
その一方で、会計データの加工や可視化はExcelが中心であり、タイムリーに経営状況を把握することが困難だった。そこで経営状況の可視化に加え、市場競争力の強化に向けて外部データも取り込み、財務比較、セグメント別比較などの実現を目指してBIツールの導入を検討していた。
SAP Analytics Cloudについて同社は、SAP Central Financeとの親和性、処理スピードの速さ、操作画面の分かりやすさ、SaaSの利便性を評価して採用に至った。また、会計財務部門の各担当者も自らデータ分析やレポーティングができる分かりやすさが採用の決め手となったという。