Microsoftは米国時間5月24日、オンラインで開催中の年次開発者会議「Microsoft Build 2022」初日に、開発者向けの新たなクラウドサービス「Microsoft Dev Box」を披露した。
開発者はDev Boxを用いることで、プロジェクト開始時に物理的なワークステーションの設定作業を経ずに、クラウドで自動設定された仮想マシンを起動し、すぐにイメージのコンフィギュレーションや、チームメンバーの割り当て、コーディングに取りかかれるようになる。チームはDev Boxで、開発者がアプリケーションの開発や実行に必要とするツールや依存関係のあるDev Boxイメージを生成、維持する。自らのアプリケーションのソースコードや、ナイトリービルドのバイナリーを含めておくことで、リビルド時に長時間に及ぶ待ち時間を発生させずに、即座に自らのコードにアクセスできるようになる。また、開発者向けポータルで、チームはどのようなプロジェクトでもDev Boxを作成、削除できるようになる。必要に応じて複数のDev Boxでタスクを並列で実行することもできる。
Dev Boxは「Windows」で動作するすべての開発者向け統合開発環境(IDE)や開発キット(SDK)、内部ツールをサポートする。デスクトップやモバイル、IoT、ゲーム向けアプリの構築に利用できるほか、「Windows Subsystem for Linux」(WSL)を利用し、クロスプラットーフォームアプリを開発することも可能だ。Windows、「macOS」「Android」「iOS」、ウェブブラウザーからDev Boxにアクセスできる。
Dev Boxは、Azure Virtual Desktopをベースとしているようだ。また、Dev Boxは「Windows 365クラウドPC」と統合されており、IT管理者は「Microsoft Intune」や「Microsoftエンドポイントマネージャー」で、クラウドPCのデスクトップとともに、あらかじめ設定されたDev Boxワークステーションを管理することもできる。
Dev Boxは24日時点でプライベートプレビューの段階に入っており、同社は向こう数カ月以内にパブリックプレビューに移行するとしている。サインアップするには、https://aka.ms/devbox-signupにアクセスしてほしい。
Buildカンファレンスの初日には、このほかにも開発者向けに数多くのサービスが発表された。「.NET Multi-platform App UI」(.NET MAUI)についても紹介されている。.NET MAUIは、Android、iOS、macOS、Windowsを対象とするクロスプラットフォームのUIスタックだ。.NET MAUIは「Xamarin.Forms」のテクノロジーに基づいて構築されている。また、「.NET」のソフトウェア開発キット(SDK)を補完する目的もある。
.NETの製品マーケティングディレクターであるBeth Massi氏は、「.NET MAUIは、複数のデバイスとOSで開発するための単一のプラットフォームを提供する」とし、「今まではウェブとWindowsに関するものだったが、今はウェブとネイティブに関するものだ」と述べた。
また、人工知能(AI)ペアプログラミング機能を提供する「GitHub Copilot」ツールは「今夏」にも一般提供を開始する計画だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。