ソフトウェア開発は競争が激しい分野であり、多くの企業が新たな技術の可能性を探っている。どんなアプリケーションの需要が高いかを知ることができれば、ほかの企業に先んじるための役に立つはずだ。
SlashDataが実施した調査「2022 State of the Developer Nation」の結果を見れば、今、世界のソフトウェア開発者がどんな技術に注目しているのかを知るためのヒントを得ることができる。世界166カ国のコーダー2万人を対象として実施されたこの調査によれば、今最も多くの開発者が学んでいる新興技術は、ブロックチェーンアプリケーションや暗号資産(仮想通貨)、非代替性トークン(NFT)などの暗号技術に隣接する技術だった。
調査対象となった開発者の3分の1強(34%)は、ビットコインなどの暗号資産について学んでいると答えていた。また回答者の16%が、現在暗号資産関連のプロジェクトに取り組んでいた。
技術者は、金銭的な利益につながる可能性を秘めている技術であるNFTにも注目しており、11%の開発者がこの技術に取り組んでいた。また、回答者の3分の1弱(32%)が、NFTの知識を身に付けようとしていた。
同様に、開発者の30%が、暗号資産技術以外のブロックチェーンアプリケーションについて学んでいた。SlashDataによれば、ブロックチェーンアプリケーションと暗号資産は、過去1年間で最も開発者の関心が高まった技術だったが、ブロックチェーン技術の導入自体はあまり進んでいないようだ。現在ブロックチェーン技術に取り組んでいる開発者は12%だったが、2021年第1四半期と比べて微増だったとみられる。
これらの暗号技術に隣接する3つの技術は、取り組んでいる人や学んでいる人の割合が最も高い技術で、回答者の30%以上がこれらの技術について積極的に学んでいた。次に多かったのは「メタバース」と「人工知能(AI)によるソフトウェア開発」で、どちらの技術についても、開発者の28%が積極的に学んでいる。
この調査では、プログラミング言語の利用状況や、日常的な業務で開発者が使用しているツールについても調べている。
レポートによれば、最もよく使われていたプログラミング言語は今回もJavaScriptで、世界で1750万人弱の開発者がこの言語を使用していた。2番目に普及していた言語は、2年前にJavaを抜いて2位になったPythonで、この言語を使っている開発者の数は1570万人に達している。
Rustは、2020年第1四半期には開発者が60万人しかいなかったにも関わらず、2022年第1四半期には220万人にまで増えており、この24カ月間で3倍以上増加した。また、バックエンド開発でよく使われているGoとRubyの開発者も、この1年で増えていることが分かった。
ただし、Go、Ruby、Dart、Luaなどの言語はどちらかと言えばまだニッチで、この中で最も利用者数が多かったRubyでも、開発者の数は330万人だった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。