資生堂は、クアルトリクスの従業員エクスペリエンス管理ツール「Qualtrics EmployeeXM」(EmployeeXM)をグローバル全域で導入した。クアルトリクスが5月31日に発表した。
資生堂は、2019年11月からグローバルで単一のシステムを構築するプロジェクト「FOCUS(First One Connected and Unified Shiseido)」を推進している。EmployeeXMはクラウド人事管理ソリューション「SAP SuccessFactors」とも連携して運用可能であるため、既存のシステムと併用したさらなる有効活用も期待されている。
資生堂では、従業員エンゲージメント調査を2年に1回の頻度で実施してきたが、より高い頻度で従業員への調査を実施し、従業員が直面している直近の状況を理解し、適切な対策を迅速に講じたいとの要望が生じていた。また社内からは「既存のスケジュールでは、調査実施から結果を確認するまでのタイムラグが長く、迅速・適切なアクションをタイムリーに起こすことが難しい」「調査の実施による工数負担を軽くしたい」という声も上がるようになっていた。
EmployeeXMについて同社は、調査の実施から分析、分析結果に基づいた改善アクションのトラッキングなど、従業員エクスペリエンス向上にワンストップで対応するオンラインプラットフォームであることに着目し、導入に至った。
同ソリューションは、調査案内配信から集計・分析、集計内容に基づいたアクションの示唆とトラッキングまでを、一つのプラットフォームで完結させることが可能。ストレスチェックなど、人事関連のプログラムも同時に管理することが可能であるため、システム管理の手間・コストを削減することができる。
また閲覧者の職位や所属部署に応じて表示内容を調整できるダッシュボードでは、調査の結果と推奨アクションが提示される。このため集計・分析作業時間や手間の大幅削減に加え、結果のスピーディーな確認や発生している問題に対する適切なアクションプランの登録、そのトラッキングも可能だ。
今後、資生堂では、EmployeeXMを利用して四半期に一度のパルスサーベイを実施する計画だ。全世界約4万6000人の従業員から声を収集・分析して迅速なアクションを取るという流れを通じて、タイムリーな組織課題の発掘とともに、従業員エンゲージメントを高めるPDCAサイクルを確立していく。