調査

女性のコーディング学習--男性中心の業界でスキルを磨くためのヒント

Allison Murray (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2022-06-07 07:30

 新たなスキルの習得、特にコーディングのような難しいスキルを身につけるのは大変なことだが、テクノロジー業界など、男性が多数を占める分野で女性が学ぶ場合は、さらに難易度が高くなるかもしれない。

提供:Getty Images/iStockphoto
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 FRG Technology Consultingの2021年の「Java and PHP Salary Survey」によると、女性の開発者はわずか10人に1人だという。しかし、テクノロジー業界に(時には型破りな方法で)参入し、コードの作成に必要なスキルを学習する女性が増加している。

 「Code Institute」などのeラーニングプラットフォームは、受講者が自分に合った柔軟なスケジュールで学習できるようにして、コーディング分野での新しいキャリアに取り組みやすくすることを目指している。

 「講座の初日から、全期間を通じて受講者と連携し、業界になじめるように支援している。たとえば正式なコンサルティングを実施して、受講者に自分のスタート地点、目標、課題を話してもらう」。Code Instituteのエンプロイヤーエンゲージメント担当ディレクターのJane Gromley氏はこのように述べた。

 Gromley氏によると、子育てをしながらテクノロジー業界への転職を検討している女性の受講者が多く成功しており、この柔軟なプログラムによって、家族や現在の仕事も優先しながらコーディングの方法を学ぶことができるという。

 だが、それでも女性にコーディングの習得をちゅうちょさせる要因がある。自分は何一つ知らないと感じる「インポスター症候群」もその1つで、これは男性よりも女性の方が経験する傾向にある。女性がテクノロジー業界への転職に二の足を踏むもう1つの要因は、その仕事をしている他の女性の話を聞く機会があまりないことだ、とGromley氏は語る。

 「多くの女性は、プログラマーの友人が大勢いるという経験をしたことがない。実際の仕事の内容に関するエピソードを聞けなければ、ある種の神秘主義のようなものが漂ってしまう」

 このようにためらう要因があるとしても、特筆すべきは、コーディングの世界には女性の居場所があり、その発展に貢献してきた女性もいるということだ。たとえば、Grace Murray Hopper氏のような有名な女性コーダーは、「Harvard Mark 1」の最初のプログラマーの1人になり、後に「COBOL」プログラミング言語の作成に使用されたコンパイラーを開発して、歴史に名を残した。もちろん、1800年代にはエイダ・ラブレスがコンピュータープログラミングのパイオニアになり、世界初の汎用コンピューターとされている「解析機関」のアプリケーションを開発した

 現代のコーディング業界を形成している女性たちの経歴は、千差万別だ。Joke Heyndels氏は、Code Instituteの講師兼フルスタックソフトウェア開発者になる前、再包装した製品のラベルを印刷するデスクワークをしており、人手不足のために工場の現場で作業することもあった。

 「昔からずっとコンピューターに愛着があった。2007年に受講した『Microsoft Office』講座では、ガイド付きデジタルラーニングが本当に得意であることを自分自身に証明した」とHeyndels氏は語る。「5日間のコーディングチャレンジの広告を見て、『失うものは何もないのだから挑戦してみよう』と思った。とても楽しかったので、講座の全課程に投資することにした」

 Heyndels氏は、転職を後悔したことは一度もないが、最初はテクノロジー業界が選択肢だという考えさえなかった、と自身の経験について述べている。

 「女性は学校で他の職業を薦められるため、コーディングの勉強に進む人はほとんどいない」とHeyndels氏。「1990年代に育った私には、自宅で(コーディングを)学ぶという選択肢もなかった。家にあった1台のコンピューターは、父親だけが使うものだったからだ」

 Gromley氏は、特に女性の場合、テクノロジー業界に入るときに大切なのは、しかるべき人が周りにいる環境に身を置き、メンターやソーシャルグループのサポートを受けることだ、と述べた。Heyndels氏は、絶えず変化する分野で学びたいという気持ちを持つことが何より重要だ、と語る。

 「私も以前は何の経験もなかった。この業界で最も重要なのは、熱意と学び続ける意欲だ。どちらも性別は関係ない」(Heyndels氏)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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