ゲームメーカーのセガは、データ主導型の事業運営基盤を確立するため、「Qlik Sense」をはじめとするデータ分析製品群を導入。製品を提供する米Qlik Technologiesの日本法人であるクリックテック・ジャパンが6月6日に発表した。
Qlik Senseは人工知能(AI)とプラットフォーム機能を備えたSaaS型のデータ分析プラットフォーム。専門知識を持たない人でも、データの可視化やダッシュボード、視覚的なレポートを短時間で容易に作成できる。セガでは、このソリューションにより、スマートフォン向けモバイルゲームアプリケーションの関連業務の効率化と、社内アナリストによるユーザーニーズ分析の深化を実現するとしている。
近年、セガではモバイルゲーム事業の重要性が高まりを見せている。ゲームの改善にはデータ分析でユーザーニーズを把握し、データに基づいた意思決定と行動に結びつけるサイクルが不可欠とされている。各ゲームタイトルのアナリストは、膨大なログデータやソーシャルメディア、広告など、多様なソースから得られる外部データを用いたセグメント分析などの各種分析の深掘りが要求されている。
その一方でアナリストには定型的なレポート作成の負荷があり、また、新たな分析指標の設定や外部データとの接続にはシステムエンジニアによるコード開発が必要なため、機動的な対応が容易ではなかった。セガは、定型業務の自動化によるアナリストの負荷軽減、加えてアナリスト自身が必要となるデータを収集、加工し、新たな分析を迅速に行える環境の整備、そしてノーコードでの外部データソース接続を可能にするため、Qlik製品の導入を決定した。
導入により、約450のレポートを自動生成することに成功し、1つのゲームタイトル当たり約1人月の工数削減が実現したという。また、データの統合や標準化をすることでアナリストが分析に集中できる環境が整うとともに、ユーザーニーズの把握や問題点の発見、改善策の立案、仮説の検証、対策の実行といったサイクルの迅速化につなげた。
セガのゲームコンテンツ&サービス事業本部 事業企画部 ビジネス&データ分析課課長の竹内公紀氏は、Qlikの導入によってデータアナリストがデータを深掘りし、より複雑な分析に時間を割り当てることができるようになったと、業務の効率化に対する手応えを感じている。また、「外部データとの接続が容易になったことで、数多くの社員が市場の動きから俯瞰的なものの見方を養い、より多面的にゲームタイトルを評価できるようになっている。『次の面白いこと』へアクティブに挑戦する環境が整ってきたと感じる」と、語った。