オンラインホワイトボード「Miro」を提供するミロ・ジャパンは6月14日、国内外の事業進捗や製品の更新内容を披露する記者会見を開催した。単独もしくは「Slack」や「Microsoft Teams」、「Zoom」といった他のコラボレーションツールと統合して、使用できるMiroは現在、世界で3500万人のユーザーを擁しているという。
ミロ・ジャパン 代表執行役社長 五十嵐光喜氏
同社 代表執行役社長 五十嵐光喜氏は「全員参加型の議論が日本企業の強さだった。だが、昨今はビジネススピードが加速し、従業員も集まれない。もしくは発言しない会議も増えている。一人ひとりが持つアイデアをボトムアップで組み上げ、一つのものを作り上げるのが日本の強さだが、コロナ禍やリモートワークで失われつつある。Miroなら従業員のアイデアを自由に共有し、各自が発言できる。(Miroでの)議論の永続的に保有も可能。この機能を日本の法人顧客にお届けしたい」と訴えた。
アイデア出しやチームビルディングに活用するNEC
ミロ・ジャパンが発表会を開催するのは2021年11月以来だが、今回は事例や機能強化と多岐にわたるアップデートを披露した。日本電気(NEC)のソフトウェア&システムエンジニアリング統括統轄部は、製品開発にMiroを活用している。
「対面型の開発から遠隔地開発、フルリモート開発と移行し、開発環境も変化。NECはアジャイル開発のワークフローやノウハウをMiro上に展開して、昨今の環境下でも支障なくアジャイル開発を実践している。結果として迅速なチームの立ち上げや開発を可能にした」(五十嵐氏)
NECはMiroやプロジェクト管理ツールの「Jira」を組み合わせ、アイデア出しやチームビルディングをMiro、API連携でつながったJiraで開発管理を行っている。
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そのMiroだが、テンプレート群「Miroverse」に日本独自のローカルテンプレートをリリースし、有償か無償かに関係なく、6月13日から日本語ユーザーインターフェース(UI)で利用できるようになった。同社はローカルコミュニティーの拡充に注力しており、「2021年11月時点で50万人だったユーザー数は現在70万人(2022年5月末時点)。今回の日本語UIや日本語テンプレートのリリースにより、ユーザー数拡大の加速を期待したい」(五十嵐氏)と意気込みを語った。
法人利用については、前回(2021年11月)は「東証株価指数(TOPIX) 100」構成銘柄企業の50%と説明していたが、今回は60%まで拡大(2022年5月末時点)。同社はエンドユーザー数や法人利用数を拡大するため、今夏を終えるまでに従業員を50人、2023年には100人を目指している。
「全方位で拡大させるが、最初に注力するのはカスタマーサクセス部門。Miroの強みは現場ですぐに使える点。そこを支援する体制を構築したい。続けて他システムとの連携などテクニカルな問題に対応するソリューションエンジニア部門。あとはマーケティング部門やセールス部門を拡大していく」(五十嵐氏)
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