カゴメとNECは、人工知能(AI)を活用して加工用トマトの営農支援を行う合弁会社「DXAS Agricultural Technology(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」をポルトガルに設立する。7月の設立を予定している。
新会社設立を機に、アグロノミー(作物栽培学)の知識や経験を持つ要員がユーザーの農業現場を理解し、最適なサービスの提案やテクノロジーの適用を支援する体制を世界各国で整備する。
両社は2020年4月に戦略的パートナーシップ契約を締結し、カゴメ内に新設されたトップ直轄組織「スマートアグリ事業部」を中心に、NECの農業ITプラットフォーム「CropScope」を活用して営農アドバイスの機能・品質の向上を図るとともに、営農支援事業のマーケティングと将来の可能性を研究してきた。
今回設立する新会社では、カゴメのトマト営農に関する知見と、NECのAIを用いた分析/予測技術を一層融合させ、主に欧州、米州、オーストラリアの加工用トマト市場における営農支援を加速する。将来的には日本での事業展開も目指している。
今後の取り組みとしては、AIとかんがい設備などとの連携により営農作業をさらに効率化し、トマト加工会社と生産者の負荷軽減を支援する。さらに、カゴメの農業研究成果から作物生育に重要となる土づくりから収穫までの栽培手法を改善することで、環境に優しく収益性の高い営農支援をサービスとして提供することを目指す。
作物の生育状況や土壌水分量など水田の状態を俯瞰(ふかん)できる