調査

AI導入の初期目標、6割がほぼ達成--課題も明らかに - (page 2)

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2022-06-23 06:30

 AIの管理やガバナンスのために企業が講じている手段を尋ねる質問では、42%の回答者が、既存のデータ部門やアナリティクス部門がAI技術を取り込み、問題に対応していると回答していた。また、AIのセンターオブエクセレンスを設置したと答えた回答者もほぼ同数いた。

 従業員がAIを活用できるようにするために事業部門が取った施策を問う質問では、新たに獲得したAIのスキルを活用できるツールや機会の提供(43%)、業績指標を改定してAIに関する項目を取り入れる(40%)、新たなスキルや役職を取り入れた人員計画の策定(39%)、従業員教育フレームワークの変更(39%)などが回答の上位に並んでいる。

 また、ITリーダーの39%が、AIを活用したローコード・ノーコード開発ツールを導入・利用することによってこの課題を解決していたほか、約3分の1(34%)は、AIモデリングの自動化ツールを導入していた。

 2021年の調査では、AIに関する課題として、モデルの開発やデータの標準化を挙げる回答者が多かった。しかし今回は、これらの課題も残ってはいるものの、ガバナンスポリシーの策定(35%)や、AIシステムの維持(34%)を挙げる回答者が増えた。

 優れた機能を持つAIは、責任も大きくなる。ITリーダーのうち、AIのガバナンスやポリシーが成熟していると回答したのはわずか9%だった。企業がAIのガバナンスを実現するために実施している施策には、全社的なAIリーダーの設置や、責任あるAIを実現するための標準やプロセスの確立などがある。また、ITのガバナンスを重視しているリーダーは増えている。適切なAIガバナンスの仕組みを持つことは、今後の法規制に先んじて対応するために重要だと考えている回答者は95%で、2021年の87%よりも増加した。さらに、回答者の半数近く(48%)が、効果的なAIガバナンスを実現するためのアクションを起こす必要があると考えていた。

 AIの管理やガバナンスのために実施している施策を尋ねる質問では、44%がAIに関する倫理と責任あるAIに関する標準やプロセスを確立したと回答していた。またほぼ同数の回答者が、AIの戦略とガバナンスを統括する全社的なAIリーダーを設けていると述べている。

 自社に導入したAIの監視が不十分な場合に発生するリスクについては、ハッキングや「AIテロリズム」の増加を挙げた回答者が最も多く(55%)、プライバシーを挙げた回答者もほぼ同数(55%)いた。また、規制の順守(49%)や「人間の主体性の喪失」(48%)もリスクの上位に挙げられている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]