NECとNTTドコモは共同で、自然災害時の救助活動を支援する目的で実証実験を行った。NECが6月27日に発表した。
NECは多発する自然災害への対策として、5G、Multi-access Edge Computing(MEC)通信環境、映像解析技術「FieldAnalyst for Vehicles(FAV)」を組み合わせた救助活動支援ソリューションを開発している。今回の実験では、NECのFAVとNTTドコモの5G/MECを組み合わせたソリューションにより、安全安心な社会の実現に向けた知見を広める狙いだ。
実験は、地震によって被災した住宅地を模した建物やがれきがあるフィールドで実施した。住宅エリアにエキストラ人員を5~10人配備し、エリア全体の状況を撮影するため、上空にはNTTドコモが提供する自律飛行型ドローン「Skydio 2」を飛行。その映像を5Gを通してMEC上に構築したFAVで解析し、人物を検知した状態の映像をユーザーにフィードバックするという構成になっている。なお、同日時点でSkydio 2はLTE/5G通信に非対応のため、あくまで「将来的な構成イメージ」としている。
救助活動支援ソリューションの構成
FAVは、撮影した映像から車両や周辺の物体などを自動的に認識し、車両の詳細な特徴や移動経路などを分析することで高精度な行動検知を実現する。いままでは車両などの移動機向けであったが、今回はドローンによる上空からの映像に対して人物の検知を行う新たな事例として活用した。
実証の結果、被災した住宅エリアから要救助者となる人物を検知できたという。人物検知は、映像上の輪郭で人と判断された箇所を四角でマーキング表示することで、人のいる場所を容易に特定できる仕組みだ。この人物検知機能は、映像上の輪郭から人を判断するものであるため、顔画像などの個人情報は不要だという。
FAVによる検知イメージ